STマイクロ、HDD向け小型・高集積モータ・コントローラ・チップを発表
STマイクロエレクトロニクスはHDD向け高集積モータ・コントローラ・チップにより、民生用電子機器のバッテリ長寿命化を実現
必要なパワーMOSFET全てを集積し、民生用機器に適した1.8インチおよび1.8インチ未満の超薄型HDD用モータ・コントローラ
ディスク・ドライブ・ソリューションとシステム・オン・チップ・ソリューションの世界的リーダーであるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE: STM、以下ST)は、MP3プレーヤやビデオ・プレーヤなどの携帯型コンスーマ向け電子機器(CE)製品に使用される1.8インチおよび1.8インチ未満のハードディスク・ドライブ(HDD)を対象とした小型の高集積HDDモータ・コントローラを発表しました。この新しいL7208 HDDモータ・コントローラは、HDDのスピンドル・モータとボイス・コイル・アクチュエータの制御および駆動に必要な全ての回路(必要なパワーMOSFETデバイス全てを含む)を集積しており、実装スペースの削減および消費電力を最小限に抑えるように設計されています。
L7208は、部品数(BOM)を最小限に抑える柔軟なデジタル・アーキテクチャで構築しているため、メーカーはコストを削減することができ、また、幅広いHDDベースの製品に使用することができます。L7208には、スピンドル・モータの音響ノイズを最小化するために好評を得ているSTのSmooth Drive(R)疑似正弦波デジタル・ドライブ技術(静音動作が不可欠であるCEアプリケーション向けに重要な機能)、および自由落下センサのインタフェースが搭載されています。このデバイスは、高さが0.55mmの超薄型LGAパッケージで出荷されます。
消費電力は、非常に効率的なスリープ・モードを含む全ての動作モードにおいて極めて低く、そのためアプリケーションのバッテリ寿命を延長することができます。さらに、ボイスコイル・ドライバは、リニア・モードとPWM(Pulse-Width Modulation:パルス幅変調)モードの両方で動作可能で、さらに大幅に電力が節約されます。ABクラスの出力段は、デッドバンドがなく、クロスオーバ歪みは最小限になっており、パワーMOSFETは最大0.5Aのピーク電流を供給できます。ボイスコイル・セクションには、電流コマンド用の14bitデジタル・アナログ・コンバータ(DAC)、センスアンプ・ゲイン・スイッチ、ロード/アンロード回路および定電圧リトラクト機能が含まれています。
スピンドル・モータ・セクションには、Smooth Drive機能に加え、スピンドル電流制限、起動位置検出、および電源オフ時のスピンドル減速のための回路が含まれています。専用のアナログ・デジタル変換器(ADC)によって、外付け部品を追加することなく電源の変動が補償されます。
L7208はレジスタ制御で、最大50MHzで動作するシリアル・バスを経由してホスト・システムに接続されます。1チップに集積された補助機能として、内部アイソレーション用FET、10bit ADC、プログラム可能なリニア・レギュレータ、プログラム可能な正および負のスイッチング・レギュレータ、衝撃センサ回路、および全電圧レベルの監視機能があります。
このチップは、現場で実証済みのST独自のBipolar-CMOS-DMOS(BCD)技術を使用して製造されます。この技術は、デジタル回路、高精度バイポーラ・アナログ回路および高効率パワーMOSFETを同一シリコン上に統合するものです。
STのHDDモータ・コントローラ・ファミリにはL7207も含まれていますが、これは、L7208とファームウェア互換製品で、ノートパソコンなど携帯アプリケーション用の5Vドライブとデスクトップ・コンピュータ用の12Vドライブの両方に使用できるよう設計されています。
L7208 HDDモータ・コントローラは、2006年10月にサンプル供給開始予定で、価格は15.00USドルです。
■STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。
またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。2005年の売上は88.8億ドルで、純利益は2億6600万ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人: http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語): http://www.st.com
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