STマイクロ、シングル・チップZigBeeソリューションを発表
STマイクロエレクトロニクスは、バンドルされたソフトウェア・スタックと優れた感度を備えたシングル・チップZigBeeソリューションを発表
集積化された無線トランシーバとネットワークレベルのデバッグ機能でサポートされた16bit MCUにより、容易なアプリケーション開発を実現
無線技術の世界的リーダーであるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE: STM、以下ST)は、2.4GHzのIEEE 802.15.4準拠無線トランシーバと、EmberZNet(TM)ソフトウェア・スタックを備えた高性能16bitマイクロプロセッサを集積した新しいシングルチップZigBee(TM)無線ネットワーク・ソリューション『SN250』を発表しました。この電力効率の高いチップには、ハードウェアでサポートされた包括的なネットワークレベルのデバッグ機能が組込まれており、アプリケーション開発を容易にします。STでは、2006年10月3日から7日まで幕張メッセで開催されるCEATEC JAPAN 2006において、このソリューションを紹介しています。
ZigBeeとは、遠隔監視、リモートセンシング、遠隔制御など、ネットワーク・アプリケーションに必須の要求事項に対応する、標準規格に基づいた無線ネットワーキング技術です。STが推進団体の一員であるZigBee Allianceによって管理・推進されているこの新しい技術は、世界中のコンスーマ、商業、工業および政府向けの幅広い製品およびアプリケーションに組込まれており、容易な開発、高い信頼性、低消費電力、さらに低コスト化を提供することができます。
この新しいチップの組込みEmberZNet(TM)ソフトウェアは、STとZigBee技術に関して戦略提携を締結しているEmber社によって開発されました。アップグレードが可能で、評価の高いこのZigBee準拠スタックは、長いバッテリ寿命、少ない外付け部品数、および信頼性が高く実績を積んだ業界標準ネットワーキング・ソリューションを必要とする設計に最適化されています。
STのZigBee事業部のジェネラル・マネージャ、Jean-Claude Kaireは次のように述べています。「STは、Ember社との共同開発によって、ZigBee技術を使った初めての製品を開発できたことを大変喜ばしく思っています。この新製品は、こうした共同開発による最初の製品であり、今後も、より幅広いアプリケーションに対応したZigBeeスタンダード・デバイスを共同開発していきます」
SN250の集積化トランシーバの性能は、IEEE 802.15.4に規定された性能を超えています。
送信(TX)ブースト・モードでは、出力は最大5dBm増加し、交信距離も拡大されます。
ブースト・モードの場合、受信機(RX)の感度は-98dBmです。柔軟なアンテナ・インタフェースによって、外付けパワー・アンプの有無に関わらず、アンテナの接続は容易です。
電力効率の高い16bit RISCコア・プロセッサには、128kByteの組込みFlash、5kByteのSRAM、および正しいランダンム・ナンバーの生成機能を備えたハードウェア暗号化エンジン(AES 128)が搭載されています。DMA付きの2個のシリアル・コントローラ(I2Cマスタ、SPIマスタ/スレーブおよびUART)、2個の16bit汎用タイマ、1個の16bitスリープ・タイマ、ウォッチ・ドッグ・タイマおよびパワー・オン・リセット回路を含む幅広い周辺回路によって、デバイスを追加することなく十分な機能を持ったアプリケーションの設計が可能です。
ZigBee技術は、リモートセンシングおよび遠隔制御システムの要件に特に対応している点で、他の無線ネットワーキング・ソリューションと異なります。ZigBee技術によって、安価な一次電池でも何年も動作可能な広範囲にわたる無線メッシュ・ネットワークの実装が可能になり、有線接続された高価なシステムに代わる新しい手法を提供することができます。標準規格に基づき、さらにコスト削減を実現する、この新技術は、照明、換気および空調などビルディング・オートメーションに特に適しており、また工業用の制御およびセンサ・アプリケーションの設置費用を削減します。
SN250は、省スペースの7mm×7mm QFN48パッケージで現在サンプル供給可能であり、2006年10月より量産開始予定です。価格は、5000個の場合1個あたり5.00USドルです。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。
STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。2005年の売上は88.8億ドルで、純利益は2億6600万ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人:http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語):http://www.st.com
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