バイエル薬品、「ニューキノロン系注射用抗菌剤シプロキサン注」の使用上の注意を改訂
使用上の注意改訂
ニューキノロン系注射用抗菌剤シプロキサン(R)注
本来の臨床的位置づけに基づく使用が可能に
2006年10月10日、大阪―ニューキノロン系注射用抗菌剤シプロキサン(R)注の使用上の注意が改訂され、重症例あるいは難治性感染症に対する治療薬として、医師の適切な判断のもと本来の臨床的位置づけに基づく使用が可能になりました。
広い抗菌スペクトルと強い抗菌力を有する注射剤であるシプロキサン(R)注は、2000年11月の本邦での発売以来、数多くの感染症患者さんの治療に使用されており、現在、国内外の各種治療ガイドラインにより、原因菌不明の場合に最初に選択されることが望ましい治療薬として推奨されています。しかし、重症・難治性感染症を主な治療対象とする本剤の使用については、承認取得時より、「カルバペネム系、第3世代またはそれ以降の世代として開発された新しいセフェム系注射用抗菌剤を使用しても十分な臨床効果が得られない患者で、かつ経口抗菌剤が投与不能の場合に限定すること」との注意事項が付されていました。そのため、ガイドラインで本剤の投与が推奨される場合であっても投与が認められない場合があり、医療現場においてはやむなく他系統の抗菌薬から治療を開始して本系統薬に切り替えるものの、結果的に所期の効果が得られない例があることが問題とされてきました。
こうしたなか、2006年2月に日本化学療法学会より厚生労働大臣と日本医師会長宛に「注射用キノロン系薬の『効能・効果に関連する使用上の注意』の記載変更についての要望書」が提出され、これまでの使用実態を踏まえて記載内容が変更されることになりました。これによって、シプロキサン(R)注は各種ガイドラインで推奨される注射用キノロン系薬本来の処方が可能となりました。これは、1987年欧州での発売以来、世界70カ国以上で広く使用されてきた本剤が、本邦においても海外と同様に医師の適切な判断のもと、治療初期から投与することが望ましい患者さんに対して使用できることを意味するものです。
このたびのシプロキサン(R)注の使用上の注意の改訂により、重症感染症の初期治療における有効な選択肢が増え、今後も多くの患者さんの早期の回復ならびに耐性菌抑制に大きく貢献できるものと期待されます。
◆バイエル薬品について
バイエル薬品は、バイエルヘルスケア社のグローバルな事業の一翼を担い、日本市場における医療用医薬品と一般用医薬品の輸入・製造・販売を行っています。バイエル薬品は革新性と創造性を発揮し、人々の健康に貢献するヘルスケア・カンパニーの構築を目指します。