米アナログ・デバイセズ、最高級のレシーバ感度をもつナローバンド・トランシーバICを発表
アナログ・デバイセズ、最高級のレシーバ感度をもつナローバンド・サブGHz CMOSトランシーバ「ADF7021」を発表
メータ自動読出、ワイヤレス・ホーム・オートメーション、マルチプル・ワイヤレス接続アプリケーション向け
最も近い競合製品より7dBも良好な感度、最も低いTx(送信)電流消費、最少の外付け部品点数を実現
アナログ・デバイセズ社(ニューヨーク証券取引所:ADI)は、本日、ナローバンド・トランシーバIC「ADF7021」を発表しました。
ADF7021は、すでに高い評価を得ているサブGHzトランシーバICファミリー「ADF702x」に加わった新製品で、80MHzから650MHz、および862MHzから940MHzの間で複数の周波数帯域で動作します。
ADF7021は、欧州のETSI-300-220、北米のFCC Part 15とPart 90、95、そして日本のARIB STD-T67規制基準に完全に準拠しており、1kbps(868/915MHz)において-123dBmという最高級のレシーバ感度を実現します。オンチップTRXスイッチ、VCOタンク回路とRF/IFフィルタ、完全自動AFC、オンボードADCを搭載しています。高いレシーバ感度、1MHzで60dBという優れた干渉ブロッキング、+6dBmのIP3特性をもつADF7021は、ワイヤレスAMR(automatic meter reading/メータ自動読出)、ワイヤレス・ホーム・オートメーション、産業用制御および自動化、そして遠隔セキュリティなど高い信頼性と長い到達距離が要求されるアプリケーションに最適です。ADF7021の投入により、長距離、低消費電力、低コストのワイヤレス接続アプリケーション向けADIのサブGHz RFトランシーバ製品シリーズは、さらに充実したものとなりました。
アナログ・デバイセズ社RFおよびワイヤレス・システム担当ヴァイス・プレジデント、クリスチャン・ケーマレック(Christian Kermarrec) は、次のように述べています。「ADF7021は、当社の顧客が最も高い関心をしめす信頼性、ロバスト性、そしてコストと部品点数の削減という要求に対応する機能を備えており、当社の技術革新へのコミットメントを実証する製品です」
ADF702xファミリーについて
ADF702xファミリーは、低速接続、セキュリティ・システム、ワイヤレスAMRなどのアプリケーション向けで、低消費電力と最少の外付け部品数が特長です。ADIは、ワイヤレス製品の開発を迅速化するための開発ツール「ADIismLINK」も提供しています。ワイヤレス製品設計者は、ADIismLINKツールを用いることで、複数のユニット(スレーブ・ノード)とマスター・ノード(もう1つのADF702xデバイス)の間でデータを転送できるようになり、自分自身のプロトコル・ソフトウェアの開発に時間を費やす必要がなくなるため、より効率的な設計が可能となり、製品の市場投入までの時間を短縮できるようになります。
ADF7021について
ADF7021は、低消費電力で高集積の2FSK/3FSK/4FSKトランシーバです。80MHzから650MHz、そして862MHzから940MHzで動作するように設計されています。Gaussian フィルタおよび Raised Cosineデータ・フィルタリングというオプションがあり、ナローバンド・アプリケーションにおける周波数利用効率を改善します。欧州のETSI-EN 300-220、日本のARIB STD-T67、中国の短距離機器規制、北米のFCC Part 15、Part 90とPart 95規制基準向け回路アプリケーションに適しています。トランスミッタ部分には、電圧制御発振器(VCO)と出力分解能<1ppmという低ノイズN分数PLLが含まれています。この周波数機動性に優れたPLLにより、ADF7021は、周波数ホッピング・スペクトル拡散(FHSS)システムにも用いることができます。VCOは基準周波数の2倍で動作するので、スプリアス放射や周波数引き込み問題を低減します。トランスミッタ出力パワーは、-16dBmから+13dBm間で、63ステップでプログラミングでき、さらに、周波数スプラッタを防止用の自動パワー・ランプ制御機能が規制基準への適合をサポートします。トランシーバのRF周波数、チャンネル間隔、および変調は、簡単な3線インターフェースでプログラムできます。デバイスは、電源電圧範囲2.3Vから3.6Vで動作し、使用していないときには電力を落とすことができます。
レシーバにはLow IF(中間周波数)アーキテクチャが用いられており(100kHz)、消費電力と外付け部品数の最少化と同時に、低周波数領域における干渉問題を避けることができます。IFフィルタは、帯域幅を12.5 kH、18.75 kHz、および25 kHzにプログラミング可能です。ADF7021は、Rx(受信)リニアリティ、感度、およびIF帯域幅など多種多様なプログラマブル機能をサポートしており、ユーザは、アプリケーションに応じて、電流消費に対してレシーバの感度と選択性をトレードオフすることができます。さらに、レシーバでは、特許出願中のプルイン範囲がプログラマブルな自動周波数制御(AFC)ループにより、PLLが入力信号の周波数エラーを追跡排除します。オンチップADCは、集積温度センサー、外部アナログ入力、バッテリ電圧、およびRSSI信号のリードバックを提供し、コスト節減を実現します。
価格と供給について
ADF7021は現在サンプル出荷中で、量産出荷開始は2006年11月の予定です。48ピンCSPパッケージで提供しており、単価は、1,000個受注時で2.85ドルです。(米国における参考価格です)
ADF7021は、2006年10月10日~12日の3日間、デンマークのコペンハーゲンで開催される「Metering, Billing, CRM/CIS Europe 2006 Tradeshow」において、アナログ・デバイセズのブース(#3.15)に展示されます。
アナログ・デバイセズについて
アナログ・デバイセズ(ADI)は、半導体市場において40年という長い間成長を続けてきましたが、この成長を支えてきたのは技術革新、高性能、および卓越した技術力を受け継いできた企業文化です。
ADIは、データ・コンバージョンおよびシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として、業界で高い評価を得ており、実質的にあらゆる種類の電子機器分野を網羅する世界各国の60,000社以上の顧客にサービスを提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史を誇るADIは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、従業員数は8,900名です。また、マサチューセッツ州、カリフォルニア州、ノース・キャロライナ州やアイルランド、フィリピンに製造拠点があります。アナログ・デバイセズの普通株はニューヨーク証券取引所に上場しており、ADIはS&P 500インデックスに挙げられています。
http://www.analog.com
※ ADIsimLINKはアナログ・デバイセズ社の商標です。ここに挙げたその他の商標はそれぞれの所有者の財産です。
製品に関する読者からのお問い合わせ先:
ホリゾンタル・セグメント・マーケティング・グループ
techsupport.japan@analog.com
