米ザイリンクス、自動車産業向けにプログラマブル MOST ソリューションを提供
ザイリンクス、自動車産業向けに業界唯一の完全なプログラマブル MOST ソリューションを提供
高集積 FPGA ベースのMOST ネットワーク インターフェイス コントローラ ソリューションがインフォテインメント アプリケーションの柔軟なシステム分割を可能に
プログラマブル ロジック ソリューションのリーダであるザイリンクス社は10月9日(米国時間)、自動車エレクトロニクス向けのMOST (Media Oriented System Transport) ネットワーキング プロトコルをベースとしたプログラマブル ソリューションのロードマップを発表した。市場をリードするザイリンクスのプログラマブル ロジック デバイス (PLD)をベースとした、完全なハードウェア/ソフトウェア製品として、高性能なMOST NIC (ネットワーク インターフェイス コントローラ)、関連するソフトウェア スタック、およびアプリケーションごとに最適化した IP (Intellectual Property: 知的財産) コアがある。ザイリンクスのソリューションにより、自動車業界の主要メーカは新しい機能や性能を入手した時点で、機能を拡張および強化可能な車載エンタテイメント システムを効率的に開発することができるようになる。
ザイリンクスは、XA (Xilinx Automotive) ファミリで自動車業界向けPLDのリーディング プロバイダとして、90nm プロセスのSpartan-3E FPGA による業界で最も低いゲート単価のPLD 製品や、Virtex-4 FX12 XA デバイスによる高機能を自動車関連の設計者に提供している。今回、MOST プロトコルのためのソリューションを追加したことで、自動車エレクトロニクス製品の開発者はカスタマイズしたシステムを構築するための柔軟性に富み、拡張性、コスト競争力に優れた新たなソリューションの選択が可能となった。
ザイリンクスの自動車市場および製品企画担当マネージャであるケビン・田中 (Kevin Tanaka) は「今回の発表は自動車向け標準製品の開発における重要なマイルストーンです。自動車業界の主要メーカは、MOST ベースの製品開発のためのソリューションを初めて手にしたことになります。これにより設計者は、開発期間、コストあるいは機能のいずれも犠牲にすることなく、顧客の要求条件を満たす新しいレベルのアーキテクチャ上の柔軟性を獲得できます。また、FPGAによるプログラマビリティと簡単な実装性により、広範囲な市場ニーズにもタイムリーに対応できるようになります」と語っている。
優れたフレキシビリティ
ザイリンクスのソリューションは、ザイリンクスとザイリンクスのエコシステム パートナ企業から提供される、すべてのハードウェアおよびソフトウェア要素を統合し、完全なMOST ソリューションを実現している。これにより開発者は初めて、独自の高付加価値を備えたアプリケーションを、OEM メーカによるMOST ネットワークの要求条件から独立させることが可能となった。このプログラマブルなハードウェアによるアプローチは、開発者にエンド ユーザの異なったニーズに対応できる最適なアーキテクチャ上の柔軟性と、シリコン サプライヤが規定する既存の特定用途向け標準品であるASSPを用いたソリューションではなく、自分自身でシステムの分割を決定する能力を提供することが可能になる。
このソリューションの中核はザイリンクスのMOST NICであり、これはザイリンクス LogiCORE ライブラリの中で利用可能である。MOST NICは、32ビット ソフト プロセッサ MicroBlazeおよびエンベデッド PowerPC プロセッサを内蔵したVirtex-4またはSpartan-3 シリーズのFPGA デバイスのいずれかで実現することができる。ザイリンクスの製品はすべての同期および非同期データをサポートするロジカル チャンネル ベースのインターフェイスに加えて、リアルタイム同期データ伝送を可能とする毎秒 24.8Mビットのストリーミング ポートでMOST ベース ネットワークの拡張性と信頼性の要求条件を満たしている。柔軟性と実装容易性に富むこのソリューションは、DVD プレーヤ、ヘッド ユニット、GPS システム、ディスプレイといったリアルタイム処理を必要とするモジュール内のMOST コントローラを設計するための理想的な方法である。MOST Cooperativeによって規格化された標準仕様に対する完全な適合性試験が行われることになっている。このソリューションは、MOST ドーター カードを搭載した完全な組み込みシステム開発プラットフォームと併せて提供される。
強固なIP サポート
ザイリンクスのソリューションは、ザイリンクス・アライアンス・プログラムのメンバでもあるスウェーデンのMocean Laboratories ABが開発した重要なMOST 機能用 IPのライブラリでサポートされている。MoceanのIPは「MOCEAN Network Services」ミドルウェア、DTCP (Digital Transmission Content Protection)、Data RouterおよびASRC (Asynchronous Sample Rate Converter) を始めとしたコアおよびソフトウェア インターフェイスを含んでいる。
高信頼性と柔軟性に加えて総合的なコスト競争力を保証するために、ザイリンクスはMOST NIC LogiCORE IPと組み合わせて使用するように設計されたデバイスをIDT社 (Integrated Device Technology, Inc.、カリフォルニア州サンノゼ) と共同開発を行っている。IDT社のチップはマスタ アプリケーションにおけるマスタ クロックを生成し、クロック再生のために受信データ ストリームにロックすることができる。
供給体制
ザイリンクスはMOCEAN Network Servicesのサポートを含むMOST NIC LogiCORE IPの提供を、2006年の第4四半期から開始する計画である。IDT社のPLL/クロック再生チップは、2007年第1四半期からサンプル提供を開始する予定である。
ザイリンクス XAについて
ザイリンクスのXAファミリは、業界をリードする自動車向けプログラマブル ロジック ファミリである。XA ファミリは、GPS、インフォテインメント、通信、ドライバ支援、およびドライバの快適環境等のアプリケーションですでに実用化されている。詳細についてはWeb ページ http://www.xilinx.co.jp/automotive をご覧ください
※ このプレスリリースに記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
ザイリンクスについて
ザイリンクス社 (NASDAQ:XLNX) は、プログラマブル ロジック ソリューションを提供する世界的なリーダである。1984年に創立され、米国カリフォルニア州サンノゼに本社を持つ。日本においては、1989年にザイリンクス株式会社を設立し、FPGAおよびCPLD 製品とその開発支援システムの販売とサポートを積極的に行っている。同社についての詳細な情報は日本語対応ホームページ http://www.xilinx.co.jp で公開されている。