NTTコム、多目的ICカード利用で生体認証を実現する共通プラットフォームを開発
ICカード内での生体認証用共通プラットフォームの開発および
新セキュリティソリューションの提供について
NTTコミュニケーションズ株式会社(略称:NTT Com)は、多目的ICカード「eLWISE」*1を利用して生体認証(マッチオンカード方式)を実現する共通プラットフォームを開発し、これを活用した新しいセキュリティソリューションの提供を開始します。ICカード内に共通プラットフォームを持つことにより、複数の生体認証アプリケーションを1枚のICカードで利用可能になります。
1.背景
金融業界をはじめとする、業務上高いセキュリティを求められる業界において、ICカードと生体認証システムを組み合わせたソリューションが注目されています。しかしながら、従来のICカードを利用したセキュリティ商品では、各々のカード+生体情報が商品ごとに用意され、それぞれを使い分ける必要がありました。このため、システム管理者側では複数カードを管理するためのコストがかかり、また、それらの商品のほとんどにおいて、認証を端末側で行うため、生体情報が端末に残り、個人情報保護の観点からも導入する際の課題となっていました。今回開発した共通プラットフォームにより、管理者・利用者双方の利便性を損なわない高セキュリティ認証システムを実現することができます。
2.共通プラットフォームおよび新セキュリティソリューションの特徴(別紙1参照)
(1)マッチオンカード方式の採用
登録された生体情報をeLWISE内部に保存し、カードに搭載されたプロセッサ上で照合処理を行います。この方式において生体情報は、不正な情報の改変が困難なICカード内に格納されます。その為、システム管理の必然性がなくなると同時に、自分の生体情報を他人に管理されることを不安に思う利用者にも安心してご利用いただけます。
(2)複数アプリケーションを1枚のカードに導入可能
eLWISEは1Mの大容量メモリを持つので、複数の生体認証アルゴリズムを搭載することが可能です。また、共通プラットフォームは各種情報漏洩対策アプリケーションとの互換性を最大限に保つよう設計されていますので、お客さまの既存環境を生かしつつ、短時間で容易に導入していただくことも可能です。
3.対応リーダ・ライタと対応アプリケーションについて(別紙2参照)
eLWISEの生体認証用共通プラットフォームに初めて対応したリーダ・ライタとして、サイレックス・テクノロジー株式会社*2が、インテリジェント指紋認証装置「S3n」を発売します。別紙2にあるPCセキュリティ商品をはじめ、今後も有力なセキュリティ商品で利用可能になる予定です。
4.提供開始日
平成19年1月より提供予定
5.今後の展開について
静脈・虹彩など、指紋以外の生体認証方式への対応を進め、利用可能なアプリケーションを追加していきます。
なお、10月18日より開催される「セキュリティソリューション2006」(会場:東京ビックサイト)において、本製品のデモンストレーションを行います。(サイレックス・テクノロジー株式会社/エヌ・シー・エル・コミュニケーション株式会社*3各社ブース内にて展示されます。)
(参考:http://itpro.nikkeibp.co.jp/ev/secu06/index.html)
*1:eLWISEカード
NTT Comが提供しているICカード。ICカードアプリケーションの追加・削除がカード発行後にも可能。ISO7816・EMV仕様準拠の接触インターフェースとISO14443TypeB準拠の非接触面を持ち、1Mバイトの大容量と公開鍵暗号方式を用いているのが特徴。
*2:サイレックス・テクノロジー株式会社
詳細はWebサイトをご覧ください。(http://www.silex.jp/japan/)
*3:エヌ・シー・エル・コミュニケーション株式会社
詳細はWebサイトをご覧ください。(http://www.nclc.co.jp/index.html)