ＮＥＣ、暗闇でも撮影できる「赤外線カメラ用モジュール」を発売
侵入者監視や視覚補助など物体の熱情報を検知し暗闇でも撮影できる
「赤外線カメラ用モジュール」を発売
～国産量産化センサを用い組み込み用途向けにメーカーへ販売開始～
新製品に関する情報
非冷却赤外線検知器 紹介サイト http://www.nec.co.jp/geo/jp/
ＮＥＣはこのたび、「非冷却型赤外線カメラモジュールＨＸ０８３０Ｍ１」（注１）を製品化し、本日よりグローバルに販売を開始いたしました。
本モジュールは、温度監視や視覚補助用途に有用な８～１４ミクロンの「赤外線」を検知できる高感度の自社製国産の赤外線センサと、映像処理回路などを付加した小型軽量のモジュールです。
本モジュールは、電源および映像出力端子や簡単な操作ボタンなどのインターフェースを接続するだけで動作するため、赤外線カメラメーカーをはじめ、各分野のセットメーカーにおいて、特別な開発を行うことなく赤外線カメラの製品化あるいは組み込みを可能にするものです。
出荷時期は、受注後約３ヶ月を予定しており、販売目標台数は、月間２，０００個を見込んでおります。
「赤外線カメラ」は、物体から放射される目に見えない波長の光である「赤外線」の量を輝度として映像化するもので、各々の性質を活かした用途には、次のようなものがあります。
可視光の影響を受けず、光が全く無い場所でも物体を熱情報として検知できるので侵入者発見などのセキュリティ用途や遭難者捜索の災害救助用途、航空機・船舶・車両などの視覚補助用途に利用されています。
また、物体面の温度を二次元分布で、かつ非接触で離れた場所から画像化できるので、高温体・回転体あるいは高電圧・高所などの危険な場所の温度分布情報の取得が必要な保守保全用途に利用されています。熱伝導の様子も分かるので、熱処理や乾燥をおこなう製品・食品などの品質管理、製品や建築構造物の非破壊検査をはじめとした研究開発分野や医療分野で活用されています。
さらに、可視光領域とは透過度が違うため、材質によっては、煙の中の物体でも透過して見ることができます。この特徴を活かして消防分野では火災現場での消火状況把握、救助、消防隊員のリスク低減に活用されています。
将来的には、生体認証やインテリジェント交通システム（ＩＴＳ）などの分野への活用も見込まれております。
このたびの新製品は、これらの産業ニーズおよび防犯、防災、テロ対策などの安全保障面での社会ニーズに応える赤外線カメラ普及に適した製品を実現したものです。
ＮＥＣでは、このたびの製品化に際し、国内で初めて、本格的な非冷却型の赤外線撮像センサの生産工場を、ＮＥＣ府中事業場およびＮＥＣ相模原事業場に開設し、国内量産化体制を軌道に乗せました。これによりセンサの安定した国内供給を行うとともに、モジュール製品のサポートを通じて赤外線活用の裾野を広げ、幅広い分野での利用普及や新規応用分野の開拓を図ってまいります。
さらに、当社は今後、解像度６４０×４８０ピクセルの非冷却型赤外線センサを搭載したモジュールの製品化も予定しています。
なお、これらのモジュールに採用している非冷却型赤外線センサは単体でも販売を行っています。
新商品の特長は、別紙をご参照ください。
以上
（注１） センサの冷却が必要な赤外線カメラに対し常温で動作する「非冷却型」を採用。
新製品に関する情報非冷却赤外線検知器 紹介サイト http://www.nec.co.jp/geo/jp/
＜本件に関するお客様からのお問い合わせ先＞
ＮＥＣ 誘導光電事業部 光波技術部
ＴＥＬ （０４２）３３３－１１５０
ｅ－ｍａｉｌ window@geo.fc.nec.co.jp