メディネット、がん組織を保管する「自己がん組織バンク」サービスを無償提供
がん組織を保管するサービス
『自己がん組織バンク』を無償提供
～オーダーメイド医療である免疫細胞療法の普及促進に向けて～
株式会社メディネットは、摘出した患者自身のがん組織を保管する「自己がん細胞バンク」サービスを、平成１９年４月６日より、『自己がん組織バンク』と名称を改めると共に、本サービスを無償で提供することといたしました。
免疫細胞療法は、身体の外に取り出した患者自身の免疫細胞を加工してがんに対する抵抗力を高めた上で身体に戻す治療法で、患者それぞれの治療計画が異なるオーダーメイド医療です。がん組織が保管されていれば、抗原提示細胞として機能する樹状細胞にがん抗原を提示させて体内でがん特異的な免疫反応を期待できる"樹状細胞療法"の実施が可能となり、受診できる免疫細胞療法の選択肢も広がります。
メディネットは、樹状細胞療法の更なる治療効果の向上に向けて、大学病院等との共同臨床研究及び新規細胞加工プロセスに係る開発等の様々な研究開発を積極的に推進しています。今後、このような新規技術の早期実用化と『自己がん組織バンク』の無償化により、患者の治療選択肢を広げるとともに、経済的負担を軽減することで、樹状細胞療法をはじめとする免疫細胞療法の一層の普及促進を図ってまいります
（１） 『自己がん組織バンク』ご利用の流れ
がん組織には、患者個々に最適な治療法の選択を可能にする様々な情報が含まれています。『自己がん組織バンク』は、術後の再発や転移が見つかった場合にその情報を活用できるよう、手術で摘出されたがん組織を厳重に保管・管理し、必要に応じて返還するサービスです。
＊ 関連資料「サービス概要図」参照
（２） 樹状細胞療法の仕組み
樹状細胞は、"抗原提示細胞"と呼ばれ、がんの目印である"がん抗原"をＴ細胞に伝えて攻撃を指令する役割を果たしています。一般的な樹状細胞療法は、末梢血液中の単球を体外で樹状細胞に分化させた後、予め調製しておいた手術などによって得られたがん組織の溶解物を取り込ませ、細胞表面にそのがん固有の抗原を提示した樹状細胞を体内に戻すことにより、生体内でがん細胞に特異的に働く細胞傷害性Ｔリンパ球を誘導し、体内のがん細胞を攻撃させる治療法です。
＊ 関連資料「樹状細胞療法のしくみ 概要図」参照
（３） これまでの経緯と今後の取り組み
メディネットは、平成１６年８月、摘出した患者自身のがん組織を患者の預託を受けて保管する『自己がん細胞バンク』サービスを、有償で開始いたしました。
樹状細胞療法の普及には、がん組織のバンキングシステムの整備が重要です。しかし、従来の有償サービスでは、迅速な樹状細胞療法の普及は困難であると考え、患者利便性を十分に考慮した上で、樹状細胞療法の受診環境を補完するインフラとして再構築することを検討してまいりました。
その結果、本サービスを細胞医療支援事業の補完事業と位置付け、患者の経済的負担を軽減し、樹状細胞療法をはじめとする免疫細胞療法を迅速に普及促進することを目的として、平成１９年４月６日から『自己がん組織バンク』を無償サービスとすることにしたものです。
今後、がん患者とがん組織の摘出を行なう医療機関とのネットワークを強化、拡充し、『自己がん組織バンク』におけるがん組織の預託件数の増加と、樹状細胞療法の普及促進を図ってまいります。
以 上
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