高田工業所、「超音波ポリッシュカット装置」を製品化
超音波関連事業への参入について
当社は、(株)アルテクス殿を事業パートナーとして超音波関連事業に参入し、今般、その第一弾として「超音波ポリッシュカット装置」を製品化しました。
1.経緯
当社は、2006年に発表した新中期経営計画の重要施策である新規事業育成の柱の一つとして、当社メイン行である(株)福岡銀行殿の仲介により、(株)アルテクス殿(代表:佐藤茂、本社:福岡市博多区)と、超音波に関する事業化協定を締結いたしました。同社は、国内外に超音波関連の複数パテントを保有し、ハイブリッド車制御装置および電池、ICパッケージ等の量産ラインへの超音波応用技術の導入実績があります。
今般の「超音波ポリッシュカット装置」開発は、当社と(株)アルテクス殿との協定に基づいた事業化の第一弾としての位置づけであり、今後も随時、超音波関連装置の開発・製品化を行っていく予定です。
2.超音波ポリッシュカットとは (※ 参考画像は添付資料を参照してください。)
高速回転するダイヤモンドブレード(刃)に、強力で最適な超音波振動を加えることで切断と同時に研磨する効果を発生させます。この作用により、今まで切れなかった材料が切断でき、かつ、綺麗な断面を短時間でつくることが可能です。
〔 装置の主な仕様 〕
1)装置寸法(mm):900W×760D×1600H
2)重 量:520kg
3)電 源:3相AC200V 50/60Hz
4)最大ワークサイズ:φ100mm
5)超音波スピンドル:最大出力400W
3.特長
(1)今まで切ることが難しかった「難切材」を綺麗に切断
◇ガラスや超硬等の硬い材料*1
◇アルミや樹脂等の柔らかい材料(目詰まりなし)
◇金属、無機、樹脂等の硬柔の複合材料
◇ディスプレイ用ドライバIC等の最先端部品・材料
(2)ワーク(切断材)に優しい
◇切断部の残留応力が小さい
(3)品質・コストに優れたブレードを使用
◇ブレード(刃)のドレッシング不要*2
◇電鋳ブレード(ダイヤモンドブレード)を使用するためツールが長寿命*3
4.断面カット事例
(※ 添付資料を参照してください。)
〔 参考 〕
◇販売価格(予定):13,500千円
◇発売開始(予定):2007年6月
◇販売計画(予定):年間30台
<語句説明>
*1 超硬:
硬質の金属炭化物の粉末を焼結して作られる合金。WC(タングステンカーバイド)などが代表例。
主に切削加工や金型などの耐磨耗性を要求される分野で使用。
*2 ドレッシング:
通常の砥石は目詰まりが原因で、切削効率の低下を招く。そのため目立て(ドレッシング)作業を定期的に行う必要がある。
*3 電鋳ブレード:
電鋳とは、母型(凸)の表面に厚メッキを行い、これを母型から剥離して母型とまったく反対面の形状(凹)を作る方法。ポリッシュカットのブレード(刃)は、この方法によりダイヤモンド粒子が均一にちりばめられている。