セイコーエプソン、ノズル集積度が360dpiのマイクロピエゾヘッドを開発
新世代インクジェットプリンタヘッドを開発
世界最高の歪み量(※)を誇る薄膜ピエゾ素子を独自開発
セイコーエプソン株式会社(社長 花岡清二 以下エプソン)は、世界最高の歪み量を実現した圧電素子となる薄膜ピエゾを独自に開発し、アクチュエータとして使用した新世代のマイクロピエゾヘッドを開発、2007年4月より量産を開始いたします。
マイクロピエゾヘッドは、ピエゾ素子を電圧によって変形させ、物理的な圧力を加えてインクを吐出させる、エプソンが独自に開発したインクジェットヘッドです。カラリオおよびマックスアートのブランドで販売されているエプソンのインクジェットプリンタは、このマイクロピエゾヘッドを搭載し、いずれも"写真高画質プリンタ"として 日本のインクジェットプリンタ市場をリードし、お客様から高い評価、信頼をいただいてきました。
また、昨今、印刷や生産プロセスの中で、少量プリントにも適し、環境にも配慮できるインクジェット方式のメリットが注目され、導入が進んでいます。その中でも、マイクロピエゾヘッドは他のインクジェット方式に比べて吐出性能とインクの選択自由度が高く、耐久性にも優れているため、DPE写真プリント、デジタル印刷、捺染、カラーフィルタ製造など商業および産業向けにも活用され、実績をあげています。このようにマイクロピエゾヘッドはコンシューマ用途から商業用途、産業用途にも適したヘッドで、高い信頼性と量産効果による優れたコスト対応力を備えています。
現在、エプソンは、コンシューマ向けインクジェットプリンタに加え、ビジネス用途、産業用途の強化を図っており、従来の事業領域の枠をさらに広げるためのベースとなる技術として、新世代マイクロピエゾヘッドの開発に力を注いで来ました。その結果、この度、エプソンは、
(1)薄膜化・材料開発による世界最高の歪み量を誇るピエゾの実現
(2)独創の薄膜プロセスの開発・導入による高密度化
(3)独創のMEMS技術開発による高密度インク室構造実現
により、従来のマイクロピエゾヘッドの特長をそのまま備えた上、ピエゾを採用したインクジェットヘッドとしてはノズル集積度が世界最高(※)の360dpiとなる高密度化ノズルを実現しました。また、ピエゾ素材から社内で 生産することで、インクジェットヘッドの完全内製化も実現しています。
この新世代のマイクロピエゾヘッドをプリンタなどに搭載することにより、今後更なる高速化・小型化を実現できます。
今後もエプソンは、マイクロピエゾテクノロジーをエプソンの中核技術の一つとして、さらに進化させることで、コンシューマ用途に留まらず、ビジネス用途から産業用途に至るまで、さらに活躍の領域を広げていきます。
以上
※エプソン調べ(2007年3月27日現在)
(※添付資料あり)