ニレコ、メンテナンス不要な「電磁波式炉内CPCセンサ」を出荷開始
「電磁波式炉内CPCセンサ」出荷開始のお知らせ
この度、当社は「電磁波式炉内CPCセンサ」を開発し、4月1日より出荷を開始いたしますので、お知らせいたします。
記
1.炉内CPCセンサについて
当社の主要製品である位置制御装置は鉄鋼からフィルムまで幅広い業界で使用されております。このうち、鉄鋼業向けには、厚板、薄板の圧延・熱処理・酸洗・表面処理などの工程において製品(ストリップ)の耳端を一定位置に保つ操作を自動的に行うEPC(Edge Position Control)、装置及びEPCの応用としてストリップの中央位置を制御するCPC(Center Position Control)装置が広く使用されています。CPCセンサはこのCPC装置のために製造ライン上でストリップの中央位置を検知するためのものです。
とくに、近年は自動車業界や電機業界をはじめ様々な業界から鋼板に対する品質の要求が高まってきており、その要求に対応すべく各製鉄所では、今まで安定した自動制御が難しかった炉の内部においても高精度な位置制御を行う必要性がでてきました。
炉の加熱帯と呼ばれるところは内部の温度が1000℃近くあり、高温で且つ雰囲気の悪い劣悪な環境であります。このような環境下におけるメンテナンスは非常に難しく、また危険を伴う作業でもあります。その為、メンテナンスを必要としない高精度なCPCセンサが切望されてきました。
当社では、このようなユーザーのニーズに応えるため、新型の「電磁波式炉内CPCセンサ」を開発し、4月1日より出荷を開始致します。
2.「電磁波式炉内CPCセンサ」の特徴
「電磁波式炉内CPCセンサ」は、炉壁内部に設置されたアンテナから電磁波を放射し、ストリップから反射されて戻ってくる電磁波の伝搬時間によりストリップ位置を計測します。その性能面においては高い検出精度を有しているだけでなく、高温で且つ亜鉛ヒュームや粉塵の舞う劣悪な環境下においてもメンテナンスを必要とせず安定した計測が可能であるといった従来製品に無い特長があります。
従来の当社製品が300kg近い重量のセンサ本体を炉の内部に設置する必要があるのに対し、「電磁波式炉内CPCセンサ」は25kg程度の軽量なアンテナのみを炉壁内部に設置するだけで良く、ユーザーにとっては設置工事費を大幅に削減できるといったメリットがあります。また消耗品が無くメンテナンスフリーでご使用いただけるため長期に渡るランニングコストを考えた場合、その効果は非常に大きなものになります。
3.今後の見通し
「電磁波式炉内CPCセンサ」は主に、製鉄所のCAL(連続焼鈍ライン)やCGL(連続亜鉛メッキライン)の炉内の制御を目的として開発されましたが、従来品では対応できなかった電磁鋼板やステンレスラインの1300℃を超える高温水平炉での使用も可能となりました。さらに、広く応用の可能性があります。
近年、国内製鉄所における高品位の鋼板の生産量は高い水準を続けており、新規ラインの増設や既存ライン更新に対する需要が増してきております。当社は、このような機会をとらえるため、「電磁波式炉内センサ」を基幹製品として大きく期待しております。
以上