アンリツ、HSDPA/HSUPA方式携帯電話端末ソフト試験が可能なシグナリングテスタを販売
シグナリングテスタMD8470A機能強化
第3.5世代HSDPA/HSUPA方式携帯電話端末のアプリケーション試験を実現
アンリツ株式会社(社長 戸田 博道)は、シグナリングテスタMD8470Aの機能を強化。
第3.5世代HSDPA/HSUPA方式携帯電話端末のアプリケーション試験を可能としました。本機能に対応したMD8470Aの販売を5月24日から開始いたします。
MD8470Aに新たに開発したW-CDMA/HSPAシグナリングユニットMU847010B、HSDPAソフトウェアMX847010A-11、HSUPAソフトウェアMX847010A-12および既に提供しているW-CDMA/GSMシミュレーションキットMX847010Aを搭載することで、HSDPA/HSUPA方式携帯電話端末のアプリケーション試験環境の構築が可能。3GPP規格Release 5/Release 6で規定されるすべてのHSDPA/HSUPA UEカテゴリ※1に対応した通信条件で、高速データ通信や大容量コンテンツを利用したアプリケーション試験が可能となります。また、高速データ通信中の音声着信、テレビ電話着信、SMS※2/MMS※3受信など各種サービスの割り込み試験も簡易にシミュレーションでき、HSDPA/HSUPA方式携帯電話端末のアプリケーション負荷試験を効率的に行うことができます。さらに、W-CDMA/GSMシミュレーションキットMX847010Aにスループット※4モニター機能を追加。試験時のデータ通信速度がリアルタイムで確認できるため、端末のスループット性能が評価できます。
◆HSDPA/HSUPA:High Speed Downlink Packet Access/High Speed Uplink Packet Access
第3世代携帯電話システムの一つであるW-CDMAのパケット通信を高速化した方式。HSDPAは3GPP規格Release 5で規格化された方式で、下り(基地局から端末)最大14.4Mbpsの高速データ通信が可能。HSUPAは3GPP規格Release 6で規格化された方式で、上り(端末から基地局)最大5.76Mbpsの高速データ通信が可能。回線品質やユーザ配分に応じて最適な変調方式や転送速度が適応的に選択される。
[開発の背景]
第3世代携帯電話サービスの本格的な普及にともない、パケット通信を利用したアプリケーションの高度化とコンテンツの大容量化が急速に進展しており、ユーザーへのより高速なデータ通信提供とネットワークの容量拡大の必要性が高まっています。こうした中、W-CDMA方式の通信速度をさらに高速化した第3.5世代HSDPA/HSUPA方式携帯電話端末の開発が活発化しており、高速データ通信を利用したアプリケーションを効率良く検証できる基地局シミュレータの需要が高まっています。
これまで、アンリツは基地局シミュレータとしてW-CDMA、GSM/GPRS/EGPRS、CDMA2000(R)1X/1xEVDO、TD-SCDMA方式に対応したシグナリングテスタMD8470Aを提供し、アプリケーションソフトウェア開発の効率化に貢献してまいりました。さらに今回、機能を強化し、HSDPA/HSUPA方式携帯電話端末のアプリケーション試験を可能としました。
[製品概要]
シグナリングテスタMD8470Aは、携帯電話端末のアプリケーション試験を可能とする基地局シミュレータです。W-CDMA/HSPAシグナリングユニットMU847010B、HSDPAソフトウェアMX847010A-11、HSUPAソフトウェアMX847010A-12、W-CDMA/GSMシミュレーションキットMX847010Aを搭載することで、HSDPA/HSUPA方式携帯電話端末のアプリケーション試験環境の構築が可能。3GPP規格Release 5/Release 6が規定しているすべてのHSDPA/HSUPA UEカテゴリに対応した通信条件でのデータ通信試験やスループット性能評価、また高速データ通信中の各種サービスの割り込み試験などを簡易にシミュレーションできます。
◆シグナリングテスタMD8470A
MD8470Aは、HSDPA/HSUPAに加え、W-CDMA、GSM/GPRS/EGPRS、CDMA2000(R) 1X/1xEVDO、TD-SCDMAに対応しており、世界の移動通信ネットワークを携帯電話アプリケーション開発者の机上でシミュレーションできます。一台で、音声通話、Webブラウジング/コンテンツダウンロード、メッセージング機能など、携帯電話の各種アプリケーションの試験環境の構築が可能です。ユーザインタフェース用にWindows? operating systemを搭載したPCを内蔵していることから、外部サーバや制御用PCを不要とし、エンジニア一人ひとりがパーソナルな開発環境で効率良く携帯電話端末の機能試験を行えます。
Windows は、Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
CDMA2000 は、Telecommunications Industry Association(TIU-USA)の登録商標です。
[主な特長]
□3GPP規格Release5/Release6に対応
HSDPA/HSUPA対応のMD8470Aは、3GPP規格Release 5/Release 6が規定しているすべてのHSDPA/HSUPA UEカテゴリに対応した通信条件で、携帯電話端末のアプリケーション試験が行えます。
□スループット試験が可能
W-CDMA/GSMシミュレーションキットMX847010Aに新たにスループットモニター機能を追加したことにより、試験時のデータ通信速度がリアルタイムで確認でき、HSDPA/HSUPA携帯電話端末のスループット性能検証が可能です。
[対象市場・用途]
□第3.5世代HSDPA/HSUPA方式携帯電話端末のアプリケーションソフトウェア開発
[営業情報]
□発売開始:平成19年5月24日
□予定販売台数:国内・海外計 300セット(初年度1年間)
□価格
HSDPA/HSUPA試験に対応する最小構成価格: 860万円
・シグナリングテスタ MD8470A
・W-CDMA/HSPAシグナリングユニット MU847010B
・W-CDMA/GSMシミュレーションキットMX847010A
・HSDPAソフトウェア MX847010A-11
・HSUPAソフトウェア MX847010A-12
・サポートサービス MX847010A-20
<参考>
上記の構成に加えGSM/GPRS/EGPRSに対応する下記オプションを加えた価格: 1230万円
・GSMシグナリングユニット MU847020B
・EGPRSソフトウェア MX847010A-01
・セカンドRFオプション MD8470A-02
[用語解説]
※1 UEカテゴリ
3GPP TS25.306で規定されているHSDPA/HSUPA方式におけるUE(User Equipment)の変調方式やデータ速度による分類。
※2 SMS:Short Message Service
携帯電話同士で短い文字メッセージを交換できるサービス。
※3 MMS :Multimedia Messaging Service
SMSとの相互運用性を保ちつつ、音声や画像、動画などマルチメディアに対応したメッセージサービス。
※4 スループット
一定時間内に転送可能なデータ量。通信パフォーマンスの重要な評価基準。