IPSアルファテクノロジにおける生産能力増強について
あらたに追加投資を行い、32型換算で年間約500万台体制を構築するとともに、
欧州にテレビ用液晶モジュールの生産工場建設を計画
株式会社 IPSアルファテクノロジ(取締役社長:米内史明/以下、IPSアルファ)は、世界的な薄型デジタルテレビ需要の拡大に対応するため、このたび、千葉県茂原市の最新鋭工場などに、あらたに約800億円を追加投資し、テレビ用大型IPS液晶パネル(IPSαパネル)の供給体制を拡充することを決定しました。
これにより、IPSアルファの生産能力は、32型換算にて、従来計画の年間約250万台から、2007年度下期には約500万台まで拡大する予定です。
また、今回の生産能力増強の一環として、拡大する欧州の薄型テレビ市場に対応するため、チェコ共和国にテレビ用TFT液晶モジュールの新工場を建設すべく、現在、同国と調整を行っています。新工場では、2007年度下期から生産を開始する計画です。
現在、デジタル放送の普及に加え、本年6月のサッカーワールドカップドイツ大会、さらには、2008年の北京オリンピックなどといった世界的なイベントを控え、薄型デジタルテレビの需要が急速に拡大しています。そのなかで、IPSアルファが生産する「斜めから見ても美しい」高画質なIPSαパネルへのニーズは、一層高まってきました。
このような状況下、IPSアルファは、株式会社 日立ディスプレイズ(取締役社長:森 和廣)の敷地内に、最新鋭のテレビ用大型IPS液晶パネル製造工場を建設し、2006年5月に年間約160万台体制(32型換算)にて量産を開始しました。さらに、IPS液晶テレビのニーズ拡大に対応するため、2007年4月を目処に、約250万台体制を構築する計画で、事業を推進してきました。しかしながら、2008年度以降の市場拡大に対応するためには、なお一層の増強が必要と判断し、今回の投資を決定したものです。
今回の追加投資により、IPSアルファでは、2007年度下期を目処に、現行計画の2倍となる年間約500万台体制を構築し、高画質のIPSαパネルに対する顧客の期待に応えていきます。
なお、当初、2007年4月に予定していた生産能力の増強も前倒しし、2007年1月に32型換算で年間約250万台体制とする計画です。
また、IPSアルファでは、欧州における薄型テレビ市場の急速な拡大に対応するため、2007年度下期の稼動を目標に、チェコ共和国に液晶モジュール生産工場の建設を計画しています。投資額としては、今回の総額約800億円のうち、約120億円を見込んでいます。
IPSαパネルについて
IPS液晶は、In-Plane-Switching(横電界)方式TFT液晶の略称で、「斜めから見ても美しい」高画質の横電界液晶です。IPS方式は、原理的に、広視野角であり、見る方向や白から黒までの全階調での色調変化が少なく、どこから見ても自然な画像を表示できる特長があります。とくに、テレビ用に開発したIPS-Pro技術*は、初期のIPS方式と比較し、透過率を約50%、コントラスト比を3倍以上に向上させ、高画質を実現しました。一般的には、視野角をコントラスト比10:1で表示するのに対して、IPS-Pro技術では全方位でコントラスト100以上を実現しています。IPSアルファでは、この最新技術を用いて生産したパネルを「IPSαパネル」と称し、世界中に展開していきます。
IPS技術については、以下のURLをご参照ください。
IPS-Pro(進化するIPS技術)
http://www.hitachi-displays.com/technology/2010227_17271.html
* In-Plane Switching Provectus。Provectusとは、ラテン語で「革新」を意味します。
IPSアルファの概要について
関連資料参照
欧州液晶モジュール生産工場(現地法人)の概要について
1 会社名: IPS Alpha Technology Europe, s. r. o.(仮称)
2 所在地: チェコ共和国
3 発足日: 2006年6月(準備会社として設立予定)
4 事業内容: テレビ用液晶モジュールの製造、販売など
5 生産開始: 2007年度下期(予定)
以上