富士経済、産業用ロボット・業務用ロボットなどFAロボット市場の調査結果を発表
産業用ロボット、業務用ロボットなどFAロボット市場の調査を実施
-液晶・PDPガラス搬送ロボットは2008年に885億円予測(05年比 143%)-
総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 代表取締役 阿部英雄03-3664-5811)は、2006年4月~6月にかけて、産業用ロボット、デスクトップ用ロボット、業務用ロボットなどの日本、アジア、米州、欧州の4大市場動向に加え、主要ロボットメーカー・SIer(システムインテグレータ)のソリューションビジネスへの取り組み状況・方向性に関する調査を行った。その結果を報告書「2006 ワールドワイドFAロボット関連市場徹底総調査」にまとめた。
ロボットメーカーでは、ロボットの一般商品化の加速によっておこる収益力低下をカバーするため、付加価値が期待できるビジネス領域の模索・開拓が大きな課題となっている。また、SIerにおいては、同業他社との差別化や、高度化が進むユーザーの自動化ニーズへの対応が課題となっている。本調査報告書では、ロボットメーカー・SIerにおける既存のFAロボットビジネスの位置付けとビジネス拡大の方向性についての取り纏めも行った。
<調査結果の概要>
1.2005年ワールドワイドFAロボット市場
添付資料をご参照ください。
2005年のワールドワイドFAロボット市場は4,545億円となり、エリア別では、日本,アジア、米州、欧州の順になっている。
製造現場の自動化を担うロボットは、高機能化・高精度化などのユーザーニーズに対応してきた。現在、性能面の向上が一段落したことから、コストを最優先するユーザーが出始めている。
現状では、日系ロボットメーカーの技術力・価格対応力が高く、順調にシェアを拡大している。しかし、韓国、台湾のロボットメーカーがローコストゾーンを中心に猛追しており、今後日本国内メーカーを含めて激しい価格競争が展開されると予測される。
現状のFAロボット市場は、SIerがシステムアップすることで初めて生産設備として機能している面がある。
ロボットを生産設備に組込み、製造ニーズに応じたシステムを提供する立場であるSIerは、高度化するユーザーニーズに対応するため、専門ノウハウを持つSIer間で業務提携したり、独自技術・設備を持つ事で同業他社との差別化を図る等によりFAロボットビジネス領域を拡大させる動きが見られる。また、ロボットメーカーも従来のSIer事業領域であった生産システム設計/構築への取り組みを既に開始している。
2.カテゴリー別市場
添付資料をご参照ください。
産業用ロボットでは、日系自動車メーカーの設備投資拡大に後押しされ、スポット溶接ロボットが金額ベースで市場規模を拡大させている。地域別に見ると、欧州市場はアーク、スポットの溶接用ロボットで欧州市場の50%近くを占め、米州市場ではローカル半導体関連メーカーに販売するウェハ搬送ロボットのシェアが高い。アジア市場では、自動車関連で50%以上を占める取り出しロボットや、台湾・韓国向けで液晶・PDPガラス搬送ロボットのシェアが高い。
デスクトップ用ロボットは、市場規模が大きい小型接合機のシェア上位のEmerson、Dukaneや、超音波洗浄機でトップシェアであるCrestなどいずれも米国メーカーが強く、現地の電機・電子メーカーへの販売比率が高いことから米州市場が33%を占めている。また、小型接合機を販売する海外メーカーが重要エリアとして日本市場をターゲットとした販売展開を進めており、日本市場の販売比率も高まっている。
業務用ロボット市場は、2005年にロボットベンチャー企業のテムザックやゼットエムピーなどで販売を開始したセキュリティロボットが牽引役となり市場が拡大した。また、清掃ロボットや多目的サービスロボットなども2005年に新製品の投入が相次いだため、全体市場は前年比24%増の高い伸びとなった。現在開発中の医療・介護分野のロボットや、工事作業用ロボットなど新規アプリケーションが創出され、既存分野のロボットもサービス体制の整備・拡充を進めており、量産化の準備段階に入っていることなどとあわせ、市場拡大が期待される。
3.注目市場
●液晶・PDPガラス搬送ロボット
2005年 618億円 2008年予測 885億円(対05年比 143%)
2004年後半より液晶メーカーの投資に翳りが見え始めたことから、2005年の動向が懸念されたが、2005年後半より液晶パネルメーカーの設備投資は回復に転じており、2006年は拡大が見込まれる。韓国や台湾を中心に第7世代以降の案件が多く、今後需要が増えると見込まれる事から、金額ベースでの実績を大きく伸ばすと見られる。パネルサイズの大型化に伴い、ロボットも大型化してきており、単価は上昇する傾向にある。
●アーク溶接ロボット 2005年 494億円 2008年予測 697億円(対05年比 141%)
アーク溶接ロボットは、主に自動車、二輪車製造においてボディ、シャシー、エンジン、給排気系に使用されており、自動車関連用途向けが大半を占めている。
2005年は日系自動車関連メーカーの需要が日・欧・米とも好調であった。その結果、国内外ともに市場は拡大した。後半に入って自動車のモデルチェンジの谷間から需要に翳りが見え始めているものの、一時的な現象であり、主要自動車メーカーのモデルチェンジが重なる2007年に向けて実績は拡大する見通しである。一方、欧米系自動車関連メーカーの需要は一段落した感があり、2005年は低調に推移した。こうした背景から、日系自動車メーカーへの販売ウェイトが高い日系ロボットメーカーはシェアを伸ばし、反対に欧米系自動車関連メーカーのウェイトが高い欧米系ロボットメーカーは苦戦を強いられている。
●直交型ロボット 2005年 109億円 2008年予測 153億円(対05年比 140%)
直交型ロボットは、組立てや検査などの用途にも使用され、単軸ロボットに比べて用途は多岐に亘る。自動車や液晶テレビ、携帯電話に関連した設備投資が国内外で積極的に行われ、直交型ロボットの需要も増加したため、市場は拡大している。2006年もこれらのアプリケーションに関連した設備投資が積極的に行われる見通しで、拡大が見込まれる。自動車関連分野では、日系完成車メーカーが今後もグローバルシェアを拡大していき、電機・電子分野では中国での携帯電話需要拡大や北京オリンピックに向けデジタル家電需要が拡大するため、市場は今後も拡大していくと予測される。
●業務用セキュリティロボット 2005年 2億円 2008年予測 5億円(対05年比 250%)
セコムが2005年10月に参入し、法人向けセキュリティサービスを利用している多数のユーザーに展開する事で、市場規模としてはまだまだ小さいものの増加が見込まれる。現在でも、国公立展示施設、大規模商業施設、複合テナントビルなど多数のユーザーから引き合いも多く、最終的な提供価格の調整、コストダウン次第では、更なる販売増が期待される。
<調査対象>
添付資料をご参照ください。
<調査方法>
富士経済専門調査員によるヒアリング調査
<調査期間>
2006年4月~2006年6月
以 上
資料タイトル:「2006 ワールドワイドFAロボット関連市場徹底総調査」
体 裁 :A4判 264頁
価 格 :97,000円(税込み 101,850円)
調査・編集 :富士経済 大阪マーケティング本部 第1事業部
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