大同特殊鋼、知多工場の累計製鋼量が5,000万トンを達成
大同特殊鋼 知多工場 累計製鋼量 5,000万トン達成
大同特殊鋼株式会社(社長:小澤 正俊)の知多工場製鋼部門は、1962年10月13日に稼動を開始し、44年目を迎えた今年、2006年7月19日(水)に累計製鋼量5,000万トンを達成しました。
知多工場製鋼部門の歴史は、1962年知多工場建設と同時で、当時の製鋼量は電気炉1基(A炉)で2,000トン/月から始まりました。その後間もなく63年にB炉、64年にC炉を設置し、66年には30,000トン/月となり、4年間で累計100万トンを達成しました。立ち上げ当時には、設備トラブル等幾多の困難がありました。
1960年代から始まった高度成長時代には、65年にRH(*1)1号(真空脱ガス装置)、67年にはD炉、さらに70年にE炉、RH2号を次々に設置し、73年には累計500万トン、79年には累計1,000万トンを達成しました。また、この時期、操業面では溶解時間短縮に英知を結集し、『能率向上は原低の基礎』を合言葉にTap-Tap(*2)短縮に挑戦し、UHP(Ultra High Power)操業、酸素富化操業技術を確立してきました。
1980年代に入ると業界に先駆けて、No.1CC(*3)(連続鋳造機)、LF(*4)1号(取鍋精錬装置)を設置し、電気炉-LF-RHの複合精錬技術とCC技術を結合させたELVACプロセスが完成しました。このプロセスの完成は、時代のニーズでもある高品質な特殊鋼の造り込みを可能とし、自動車用特殊鋼における当社の地位を確固たるものにしました。87年4月には累計2,000万トンを達成しました。
1990年代にはステンレス鋼の精錬プロセスであるAOD(*5)(アルゴン酸素脱炭装置)を進化させた真空機能付きVCR、またNo.2CCが導入され、炭素鋼、低合金鋼、軸受鋼、ばね鋼、ステンレス鋼、工具鋼、高合金等、極めて幅広い鋼種をフレキシブルに生産できる世界一の規模を有する特殊鋼一貫製造工場となりました。93年11月には累計3,000万トン、2000年5月には累計4,000万トンを達成しました。
2000年代に入ってからは、エネルギーコストの削減を目的とした貯留炉、CC比率拡大を目的とした大断面鋳造機、新溶鋼線を立ち上げ、CO2削減に対する取り組みを本格化させています。建設以来44年間、常に電気炉製鋼技術の先端を切り拓いてきた知多工場製鋼部門は、更なる革新を遂げるべく、今後とも歴史と伝統を受け止め、技能伝承していきます。
*1 RH … 真空槽と取鍋の間で溶鋼を還流させ、脱ガスする装置。
*2 Tap-Tap … 出鋼から次の出鋼までの時間。
*3 CC … 溶鋼を連続して鋳造し、一定の形の半製品をつくる装置。
*4 LF … 溶鋼から不純物を除いたり、成分元素を添加したりする装置。
*5 AOD … ステンレス鋼を大気圧下で脱炭する装置。
以 上
