オートデスク、電気制御設計ツールをコマツが社内標準に選定
コマツ、オートデスクの電気制御設計ツールを社内標準に選定
-「AutoCAD Electrical」でリードタイムを3割削減へ-
オートデスク株式会社(本社:東京都中央区、社長:志賀徹也)は、コマツ(登記社名:株式会社小松製作所、本社・東京都港区、坂根正弘社長)が、電気制御設計の回路図および回路部品設計用CADの社内標準として、オートデスクの電気制御設計ツール「AutoCAD(R) Electrical(以下ACE)」と、住商情報システム株式会社の「ACE ハーネス」を選定したことを発表しました。
自動車や電機関連などの製造業では、複雑化、高密度化が進む製品を、より短期間で高精度に設計することを目的に、3次元CADの導入等による効率化が加速しています。ところが、機械製品の設計でも重要な電気制御設計では、設計作業を容易にし、3次元データと連携させるなどによってプロセスを効率化することがまだ十分とは言えない状況にあります。これが、設計プロジェクト全体の効率化のボトルネックになっているという指摘もあります。
設計部門で全面的に3次元(3D)CADを導入し、設計プロセスの効率化を推進するコマツでも、機械設計の回路図とそれに連携するハーネス部品図の設計にかかる時間や工数の削減が大きな課題となってきました。
これまでは、手作業による修正やチェックが必要だっただけでなく、回路図設計と部品図設計で利用してきた2D CAD製品が連携していなかったため、回路図面を元に実装モデリングを行い、モデル上のケーブル線長を測って部品図を作成していました。また、購買部門や協力メーカーでは、図面から必要な部品数やケーブル線長を手作業で読取り、コスト見積もりを行っていました。
こうした状況にあって、コマツは、プロジェクト作業効率を向上させることを目的に、電気制御設計専用CADの導入検討を約1年前から開始し、さまざまな製品の比較検討を続けた結果、作図のしやすさや他のCADとの連携機能、コスト効率の高さなどからACEの全面採用を決定しました。コマツでは、ACEの導入により試作時の設計工数を30%削減し、購買査定開始から協力メーカーが作成完了するまでのリードタイムも30%短縮することを目標としています。(設計での先行実施により工数削減30%には目処が立ったことが確認されました)
ACEは、電気制御設計をより速く正確に行うことを支援する2D設計ツールです。製品設計用に普及している製図用CADであるAutoCAD(R)プラットフォーム上に構築されており、設計全体のプロセスにわたるデータの再利用や共有が容易な点が大きな特徴です。単なる線ではなく接続情報を備えた配線として図面を描き、さらに、シンボルや線番も電気情報をもったインテリジェントなデータとして配置します。これらのデータが連携し配線や属性の編集など様々な作業が自動化され、設計における生産性の向上やミスの削減が可能となります。コマツでは、回路図や部品図の作成、チェック、修正といった一連の設計が自動化され、さらに、回路図と部品図の連携で、設計効率の大幅な向上を見込んでいます。また、回路図データから製造情報を自動抽出し、コスト見積もりに活用することで、購買部門や協力メーカーのリードタイム短縮も狙います。また、ACEと他社の3D CADとの連携も、次の課題として検討中です。
コマツは、ACE のアドオンツールである住商情報システムの「ACE ハーネス」も同時に導入しました。ACE ハーネスは、多くの配線を一括して配線する多芯回路機能やハーネス部品図のコネクタに接続情報を自動発生させる機能などにより、ハーネス設計をより効率化します。コマツでは、本社に加え子会社や協力会社にもACEおよびACE ハーネスの導入を順次拡張していく計画です。
以上
Autodesk, AutoCADは, 米国Autodesk, Inc. の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
その他記載の会社名、ブランド名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
◆ お客様問い合わせ窓口
オートデスクインフォメーションセンター TEL:03-5992-7878