スズキ、年産24万台規模の小型車工場建設に600億円投資など経営計画を発表
連結売上高3兆円の達成と今後の施策について
スズキ株式会社は、今期(2007年3月期)に連結売上高3兆円の達成を目指す。これは第1四半期の実績を踏まえて、輸出用小型車の旺盛な伸びを見込んだものである。
さらに、慢性的な生産能力不足に対処するため、当社の相良工場敷地内(静岡県牧之原市)に、新しく年産24万台規模の小型車専用工場を建設することを決定した。
1.輸出用小型車の生産増強と軽自動車の生産調整
当社製品のスイフト、SX4及びグランドビターラは、欧州、北米、中南米、大洋州等での受注が旺盛で大量のバックオーダーの状態が続いており、各国から増産要望が寄せられている。
この需要に応えられる当社グループの工場は、国内の2工場(湖西・磐田)とハンガリー・マジャールスズキ社のみであるが、いずれの工場もフル稼動の状態が続いている。
かかる状況を改善するために、今年度は、輸出用小型車の国内生産を前年に比べて6万台増やすこととし、このために軽自動車の生産を3万台減らすこととした。来年度は、小型車の生産をさらに3万台増やし、軽自動車の生産をさらに3万台減らす予定である。
2.小型車専用工場の建設及び世界生産300万台の達成
海外の旺盛な需要と慢性的な生産能力不足に対処するため、相良工場敷地内に年産24万台規模の小型車専用工場を建設する。
投資額は600億円の計画で、2006年秋に着工、2008年秋の稼動を目指す。
これにより、新工場がフル稼働する2009年度において、スズキは国内124万台、海外176万台、全世界で300万台の生産を目指す。
3.その他の施策
(1)国内小型車10万台販売の早期達成
小型車専用工場の建設に伴い、2009年度を目標としていた「国内小型車10万台販売」を1年前倒して、2008年度の達成を目指す。
(2)OEMの供給を生産台数の10%程度にとどめる。
(3)主な海外工場の生産能力増強
・ハンガリー・マジャールスズキ社の生産能力を2006年度16万台から2008年度30万台に増やす。
・インド・マルチ社の生産能力を2006年度63万台から2009年度96万台に増やす。
・パキスタン・パクスズキ社の生産能力を2006年度11万台から2009年度17万台に増やす。
以上