三菱ガス化学、ArF用フォトレジストモノマー製造装置を新設
ArF用フォトレジストモノマー製造装置の新設について
三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小高英紀)は、四日市工場(三重県四日市市)において、ArF(フッ化アルゴン)エキシマレーザー対応のフォトレジスト用モノマー製造装置を完工いたしました。
同装置は、年産50トンの生産能力を有しており、当社が独自開発した技術によりアダマンタン誘導体を中心とした複数のフォトレジスト用モノマーを生産いたします。8月中旬より試運転を開始し、9月上旬から量産品のサンプル配布を行なう予定です。
フォトレジストは、半導体の回路を形成するリソグラフィー工程で使用される感光性樹脂ですが、同工程では、回路の微細化に対応するため回路形成に使用されるステッパー(露光装置)のレーザー光源の短波長化が進展しており、最近では90nm(ナノメートル)以下の線幅の超微細回路形成に使用されるArFエキシマレーザー用ステッパーの普及が進んでおります。
これに伴い、ArFエキシマレーザーに対応可能なフォトレジスト用モノマーの需要は2004年より本格化しており、2010年には2005年の10倍程度まで需要が膨らむと想定されています。当社では、需要の大幅な増加に対応するため、従来の委託製造に加えて自社プラントによる製造を行うことで、ArF用フォトレジストモノマー事業を強化・拡充してまいります。
当社のアダマンタン系事業は、フォトレジスト用モノマーのほか、過酸化水素のトップメーカーとしてこれまで蓄積した過酸化水素など各種酸化剤を用いた酸化技術を応用して、アダマンタンを中心とする脂環式化合物の効率的な酸化法を開発し、アダマンタンモノオール、アダマンタンジオール、アダマンタントリオールなどの誘導体の展開を進めております。
これらの誘導体につきましても現在は委託製造を行なっておりますが、今後の需要動向に応じて、四日市工場内でのプラント建設を検討してまいります。