アンリツ子会社、A-GPS機能を搭載した第3世代携帯電話端末の自動評価が可能なソフトを開発
第3世代携帯電話端末でA-GPS機能の連続自動評価を実現
アンリツエンジニアリング株式会社(社長:戸田 幸一 アンリツ株式会社の100%出資会社)は、A-GPS※1機能を搭載したW-CDMA方式第3世代携帯電話端末の自動評価を可能とするソフトウェアを開発。W-CDMAシグナリングテスタMD8480B/Cを制御するUMTS携帯端末自動試験ソフトウェアMX702080AとGPSシミュレータを制御するGPSシミュレータ制御オプション MX702080A-002の販売を8月30日から開始いたします。
MX702080AとMX702080A-002を使用することで、A-GPS機能試験に必要なMD8480B/CおよびGPSシミュレータのシステム化を実現。A-GPS機能を搭載した携帯電話端末の自動評価が可能となります。さらにAF-80制御オプションMX702080A-001を使用することで携帯電話端末の開発現場で活用されている携帯電話端末操作用ロボットの制御が可能。人手では不可能なタイミングでのキー操作が要求されるテストを自動で繰り返し実行できます。
アンリツエンジニアリングは、これらのソフトウェアを提供することで、総務省が進めている携帯電話緊急通報サービスで使用されるA-GPS機能付きW-CDMA方式第3世代携帯電話端末の品質向上と評価コスト削減に貢献いたします。
●W-CDMAシグナリングテスタMD8480B/C
W-CDMA基地局と同様な働きをする基地局シミュレータ。携帯電話端末の呼接続、通話、データ通信など、さまざまな動作を実稼動状態でシミュレーションできます。
●携帯電話端末用操作ロボット
携帯電話のキー入力操作を自動化するための装置。
●GPSシミュレータ
地球上のあらゆる場所の指定した時間における衛星状態を実現することができるシミュレータ。
[ 開発の背景 ]
110番や119番などへの緊急通報は携帯電話からの発信が急増しています。しかし、携帯電話では通報者の所在地を特定できない場合が多いことが問題となっています。そこで総務省は、「2007年4月以降、携帯電話事業者が新規に提供する第3世代携帯電話端末については、原則としてGPS測位方式による位置情報通知機能に対応する」という方針を打ち出し、A-GPSによる携帯電話緊急通報サービスの導入を進めています。そのため携帯電話会社や携帯電話メーカーでは、A-GPS機能を搭載した携帯電話端末の開発に取り組んでいます。A-GPS機能の評価には、擬似基地局やGPSシミュレータなどによって構成した擬似環境の使用が欠かせません。しかし、マニュアル操作で長時間を要する試験項目を実施することによる評価のばらつきとコストの増加が課題となっていました。
アンリツエンジニアリングは、2005年3月に、W-CDMA方式第3世代携帯電話端末の自動評価を実現した携帯端末テストソフトウェア MX702003Aを開発。高度化・多様化が進む携帯電話端末の評価作業を連続自動実行するためのソリューションを提供してまいりました。今回さらにA-GPS機能への対応を図り、A-GPS機能試験に必要なテスト機器のシステム化を実現。A-GPS機能を搭載したW-CDMA方式第3世代携帯電話端末の連続自動評価を可能とすることで、さらなる品質向上とコスト削減に貢献します。
[ 製品概要 ]
UMTS携帯端末自動試験ソフトウェアMX702080Aは、W-CDMAシグナリングテスタMD8480B/Cの試験シナリオ実行をリモート制御し、連続自動試験を実現するPCソフトウェアです。GPSシミュレータ制御オプション MX702080A-002は、GPSシミュレータと連動して携帯電話端末のGPS測位に要する「測位率、測位時間、測位精度」の測定を実現します。これらのソフトウェアを使用することで、A-GPS機能を搭載したW-CDMA方式第3世代携帯電話端末の評価で使用されるMD8480B/CとGPSシミュレータのシステム化し、同時制御による自動評価を実現します。さらに、AF-80制御オプションMX702080A-001を使用することで、人手による操作では実現が困難なキー操作タイミングを繰り返し自動実行することが可能となります。
[ 対象市場・用途 ]
□A-GPS機能を搭載したW-CDMA方式第3世代携帯電話端末の開発・品質保証
[ 営業情報 ]
□販売台数(初年度1年間):30セット(国内のみ)
[ 用語解説 ]
※1 A-GPS:Assisted Global Positioning System の略
屋内や高層ビルの近くなどではGPS衛星からの信号が大きく減衰するため、携帯電話のネットワーク網を通じて衛星位置情報などのデータ(アシストデータ)を携帯電話端末に供給することにより測位感度を向上させる技術。