三菱製紙、クリーンルーム用ナノワイパー「HC シリーズ」を開発
クリーンルーム用ナノワイパー(R)(HCシリーズ)を新規開発
三菱製紙株式会社(東京都千代田区)は、従来のナノワイパー(R)にクリーンルーム適性を付与したクリーンルーム用ナノワイパー(R)(HCシリーズ)を開発した。
当社は、既に、傾斜叩解法という独自の微細化技術により繊維の一部のみをナノサイズまで微細化し、汚れの拭き取り能力を飛躍的に高めたナノワイパー(R)を開発している。今回、新たにこのナノワイパーにクラス100のクリーンルーム適性(5μm以下の発塵粒子個数が100個以下)を付与することに成功した。
ワイパーは、繊維の細さが細かければ細かいほど汚れ除去能力が優れているが、細かすぎると繊維の脱落が起こりやすくなる。また、繊維の長さが短いと繊維の脱落が起こりやすく、湿式不織布をクリーンルーム用ワイパーに使用することは非常に困難であった。この為、これまで販売されているクリーンルーム用ワイパーに使われる繊維径は2μm以上の織物や乾式不織布であり拭き取り性能に課題があった。
今回、当社は、繊維の直径に対して長さが長いナノファイバーを利用することにより発塵性を大幅に改良した湿式不織布を開発することに成功した。繊維径に対して繊維長を長くすることより“蜘蛛の糸”の様に絡み合いを多くし、さらにナノサイズでの絡み合いの後に、熱処理をすることによりその一部を接着し繊維1本1本の脱落を大幅に減らすことができた。これにより湿式不織布のように10mm長以下の繊維を用いた場合でもクラス100に耐えるクリーンルーム適性を付与することができた。
このHCシリーズは、原反、あるいは各種の形状に加工した状態で販売する予定である。
三菱製紙では、HCシリーズ及び既に販売を開始している制電ワイパーなど高機能性ワイパーで2006年度の売上2億円、2007年度には4億円の売り上げを目指す。
以上