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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'11.02.Sat
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2007'03.14.Wed

三菱重工と新日鉄、コンテナ船の重要な縦強度部材に47キロ級高強度鋼板を採用

三菱重工業(株)と新日本製鐵(株)のコンテナ船に関する共同技術開発について

世界で初めての大型コンテナ船への47キロ級高強度鋼板の採用、および船体の大型化に合わせた安全設計の実現


 三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)と新日本製鐵株式会社(以下、新日鉄)は共同で、大型コンテナ船に世界で初めて降伏応力47キロ級高強度鋼板(ハイテン※1)を、構造上最も重要な縦強度部材※2に採用する。コンテナ船は輸送効率の点から大型化が著しく、使用される鋼材の厚手化が進んでいるが、厚手化すると靭性(ねばり)※3が低下する傾向がある。高強度・薄手化に加え高靭性化を達成した今回の開発鋼を採用することで、軽量化・燃料(エネルギー)効率の向上に寄与するだけでなく、従来以上に船体の信頼性向上を図ることができる。

 本船は三菱重工長崎造船所で建造し、鋼板は新日鉄大分製鐵所で製造する。本船の建造は最先端の技術の結実であり、両社は今後とも船体の高性能化と船舶の安全性をより高い次元で確保する。

 47キロ級ハイテンは、一般商船の船体構造用として、世界で最も高い強度を持つ鋼材である。高靭性化により船舶の安全性を高めることに加え、鋼材量を節約し、船体が軽量化されることで、積載重量の増加を可能にする。現在、一般商船の船体構造に用いられている最も強度の高い鋼材は、15年前に導入された40キロ級の高強度鋼板であるが、船体の大型化に伴い、鋼材の厚手化が進んでいる。一般的に厚手化・高強度化と靭性向上は相反するが、今回は独自の製造技術で、従来にない高強度と高靭性を達成したものである。

 新日鉄はTMCP※4技術を駆使して開発した鋼材に対し、8000トン超大型引張り試験による実構造に近い状況での評価等、詳細な試験を行い、従来鋼にない優れた安全性を確認した。
 これらの開発には、財団法人日本海事協会も参画した。一方、三菱重工は鋼材の特性を活かした船体構造設計を行い、薄手化を含む板厚の最適化、および鋼材配置の適正化などにより、船体構造のより高い安全性を実現した。

 一般に鋼材は、高強度化に従って溶接性は低下するが、開発鋼は40キロ級と同等の優れた溶接性※5を有していることも特長の一つ。また、三菱重工は新日鉄と日鐵住金溶接工業と共同で開発した2電極VEGAR法※6を始めとし、実際の建造に即した多様な溶接試験を実施、最適な溶接工法を確立した。この工法を適用することで従来鋼に比べ溶接部の強度、靭性、品質ともに向上することも確認した。

 三菱重工は、高い信頼性を持つ47キロ級高強度鋼板に独自の設計・工法を組み合わせた大型コンテナ船を投入していくことで、輸送効率、および省燃費化による環境負荷低減と、ワンランク上の船舶安全性とを求める顧客ニーズの高まりに確実に応えていく。
 新日鉄は本開発鋼の生産を通じ船舶の安全性向上に寄与するとともに、得られた技術を船舶以外の用途にも展開し、一層の信頼性向上ニーズに応えていく。

※1 ハイテン=Higher Tensile Strength Steelの略。軟鋼に対して降伏応力の高い鋼板のこと。
   降伏応力とは、材料に力が加わり変形した場合でも、永久変形が残らず元の形に戻る応力の限界値のこと。
   キロ=応力単位の略称でkgf/mm2を示す。
※2 縦強度部材=船体を一本の梁とみなした場合の曲げ強度を担う最重要部材のこと。船体強度を確保する上で、基本となる構造部材。
※3 靱性(じんせい)(ねばり)=靱性が高いと、き裂を発生しにくくなるとともに、き裂伝播への抵抗力が向上する。
※4 TMCP=Thermo-Mechanical Control Process
    圧延とその後のオンラインでの水冷により、強度、靭性、および溶接性を同時に向上させる製造プロセス。
※5 優れた溶接性=高強度鋼板でも溶接部の靭性が良く、特別な処理(予熱作業など)も省略できること。
※6 2電極VEGAR法=垂直方向の効率の良い自動溶接法

以上

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