島津製作所、質量分析装置を用いた「NBSバイオマーカー探索システム」を発売
質量分析装置を用いたバイオマーカー探索・同定の作業を短縮する
NBSバイオマーカー探索システムを発売
島津製作所は、NBS試薬とNBS試薬用に最適化した新規マトリクスおよび高速液体クロマトグラフProminence、MALDIプレート用スポッティング装置AccuSpot、質量分析装置AXIMA-TOF2で構成されるタンパク質解析装置に、DYNACOM社(1)と共同開発したマススペクトルの解析が容易に行えるシステム専用の定量的プロテオーム解析支援ソフト「TWIP」を組み合わせて、バイオマーカー探索解析の信頼性向上と作業の大幅な効率化を実現するシステム、「NBSバイオマーカー探索システム(2)」を発売します。(発売日:9月28日)
【 商品化の背景 】
当社は、安定同位体を用いた定量的プロテオーム解析手法としてNBS法を独自開発し、試薬の製品化を行ってきました。すでに、この手法を用いて大阪大学、神戸大学、東京大学、Agenicaなどと共同でがんなどのバイオマーカー探索研究を行っており、バイオマーカー候補を発見する等の成果を上げています。
今回、新たにNBS試薬で標識したペプチドを、壊さずにそのシグナルを多く取り出せる新規マトリクスを開発、また、質量分析装置を含む当社の解析装置に、DYNACOM社と共同開発したシステム専用の解析ソフトウエア「TWIP」を付加することで、信頼性の向上を図るとともに容易にご使用いただける「NBSバイオマーカー探索システム」を開発しました(資料1)。
従来、質量分析装置から得られた正常/異常ペプチドのピークデータの選択は、人手に頼っていましたが、本システムを用いると、その相対量比に違いが見られるピークを「TWIP」を用いて自動選択・検証後にMS/MS解析を行うため、従来の作業を半減することができます。
このシステムを導入することで、バイオマーカーの研究スピードを劇的に高めるとともに、解析結果の信頼性を大幅に向上することができます。
なお、このシステムを用いた研究成果は、9月28日(木)から3日間、横浜市にて開催される第65回日本癌学会学術総会において発表します。
【 システムの特長 】
・ NBS試薬、選択的な新規マトリクスを使用することにより、高感度に解析できます。
・ MSスペクトルの段階で絞込みを行うことにより、効率よく信頼性の高い解析が可能です。
・ 新型質量分析装置AXIMA-TOF2の高感度MS/MS解析により、高精度なタンパク質同定を実現します。
・ さらに、AXIMA-QITを組み合わせることで、翻訳後修飾を含めた、より詳細なタンパク質の同定が可能です。
・ 新規解析ソフトウェアを用いると、検出可能な全てのペアピークの相対定量比を計算し、元データとの比較検証を容易に行うことができます。
【 システムの概要 】
[名 称] NBSバイオマーカー探索システム
[構 成] 高速液体クロマトグラフProminence、MALDIプレート用スポッティング装置AccuSpot、
MALDI-TOFMS AXIMA-TOF2、定量的プロテオーム解析支援ソフトTWIP
[定 価] 7,500万円(税抜き)より
[販売計画] 国内販売予定、5セット/年
(1)DYNACOM(ダイナコム)社について
業務内容 :遺伝子配列解析、SNP(一塩基多型)と疾患の関連解析、DNAチップ用遺伝子配列の設計・読取結果の解析、各種サンプルの実験管理システムの開発販売、
各種OS(Windows、Linux、Macintosh)上でのバイオインフォマティクス関連ソフトウエアのコンサルティングや受託開発。
所在地 :千葉県茂原市茂原643
TEL:0475-25-8282 FAX:0475-25-8301
代表取締役:藤宮 仁
設 立 :1995年1月
資本金 :7,000万円
従業員数 :33名(2006年4月1日現在)
(2)NBSバイオマーカー探索システムについて
NBS試薬キットは血液・細胞・組織などの生体試料に対して、特定の病気に特有なタンパク質(バイオマーカー)の網羅的・定量的解析に用いることができ、バイオマーカー探索研究に高い効果を発揮します。このNBS試薬で処理したサンプルをProminence、AccuSpot、AXIMA-TOF2を用いて解析し、定量的プロテオーム解析支援ソフトと組み合わせることにより、効率良く目的タンパク質を探索・同定することが可能となります。