三菱重工、中国向けM701F型ガスタービン4基分の主要コンポーネントを受注
中国向けM701F型ガスタービン4基分の主要コンポーネントを受注
三菱重工業は、中国三大重電機器メーカーの一つである中国東方タービン(四川省徳陽市、DFSTW)からM701F型ガスタービン4基分の主要コンポーネントを受注した。中海福建燃気発電有限公司(CNOOC Fujian Gas Power Limited.)が福建省に建設する田発電所向けで、天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備の中核機器として合計160万kW(約40万kW×4系列)の電力供給を支えることになる。初号機の運転開始は2008年6月の予定。
GTCC発電設備は、福建省アモイから北東に約150kmに位置する田地区に建設される。アモイは1980年代初頭に経済特区が設置されるなど、外資が数多く進出しており、新たな発電所はその旺盛な電力需要に対応する。
今回当社は、主要コンポーネントであるガスタービン翼、ローター、制御装置などの機器製作を担当。燃焼器は、当社が中国東方タービン工場と合弁で2005年に設立した三菱重工東方ガスタービン(広州)有限公司が供給する。また、蒸気タービンは中国東方タービンが製作する。取扱商社は三菱商事。
中国では従来、石炭焚き火力発電が主流であったが、中国政府はガスによる発電比率を高めるため、2003年以来、GTCC発電設備を一括発注してきており、当社も受注した実績を持つ。しかし、今回の案件については、中国が国内企業の自主性を重視するべく発注先を中国企業に限定したため、当社は従来のコンソーシアム契約ではなく、東方タービンのサブコントラクターとして機器を供給することとなった。
GTCC発電設備は、ガスタービンにより発電を行い、その排熱を利用して蒸気タービンでも発電する方式。従来火力プラントと比較して約20%高い効率を実現するなど、省エネルギーや環境保全にも大きく貢献するが、ガス価格の高騰などにより、より高い発電効率が求められるようになっている。今回の受注は、GTCC発電設備の中核機器として大出力・高効率を実現する当社ガスタービンの技術と実績が高く評価されたことによる。
中国の総発電量は、急伸する電力需要を背景に年率2桁の増加を続け、それに伴い、ガスタービン市場も急拡大しており、当社は今後も、現地パートナーとの協業を軸にさらに積極的な営業を展開していく。
(参考写真)F型ガスタービン
※ 関連資料を参照してください。
以 上