松下電工、複数台のロボットが群れで働く「血液検体自動搬送ロボットシステム」を納入
複数台の無軌道自律走行ロボットが「群れ」で働く
「血液検体自動搬送ロボットシステム」を実用化
松下電工株式会社は、複数台の無軌道自律走行ロボットが「群れ」で働く「血液検体搬送ロボットシステム」を開発し、臨床検査を手がける業界大手、ビー・エム・エル社(本社:東京都渋谷区)の総合研究所(埼玉県川越市)に納入しました。合計15台のロボットを第1期10台、第2期5台に分けて納入。第1期分の10台は、最終調整を経て10月から本格稼動に入りました。
このシステムは血液検査検体の受け取りから自動分析装置へのセッティング、さらには検査後の回収などの一連の検体の受け渡しとその間の搬送業務を、群制御コンピュータが個々のロボットに適宜仕事を割り当て、全自動で管理します。また、自動充電システムの開発により、全ロボットが同時に充電量不足に陥ることがないように管理され、24時間の検査要求への対応が可能になりました。
当社では、ものづくり力強化の一環として、生産設備のインテリジェント化、人と機械(ロボット)の協調による最適な生産ができる工場づくりをめざし、これを実現する技術開発に注力しています。中でも高い信頼性を保ち、自律走行機能を持ち、障害物を回避しながら移動・搬送がこなせる、ものづくりの現場で役立つロボットシステムの開発に力を入れています。
■ 主な特長
(1)経路設定が自由にできる「無軌道自律走行機能」と「障害物回避機能」
(2)複数ロボットを同時運行・監視できる「群制御システム」
(3)検体受け渡しを確実にする「高精度位置決め機構」
■ 開発背景
当社は、2002年春に病院で検体や薬、X線フィルムなどを搬送する、病院内自律搬送ロボット「HOSPI(ホスピー)」の実用テストを開始。このテストを通じて、システムの中核となる信頼性の高い「障害物回避技術」と「自律移動機能」を確立しました。さらにエレベータへの自動乗降機能や遠隔監視機能も付加し、病院での本格的な実使用に耐えうる機能を整備しました。
また、2005年には独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、屋外用自律走行型掃除ロボット「SuiPPi(スイッピー)」を開発。愛・地球博の広い会場内で、無軌道自律走行の長期実証運転を行い、自律移動技術と周辺機能の深化とノウハウの蓄積を図ってきました。
今回の「血液検体自動搬送ロボットシステム」は、検査工程の抜本的な革新に取り組まれているビー・エム・エル社からの依頼に基づいて開発しました。ロット切り替えの際の自動分析装置の待ち時間、検査数の変動の際に発生する装置の遊びなどの課題を、ロボットを使った、人に頼らないジャストインタイム型検体供給・回収システムを採用いただくことで、検査システム全体の効率を高めることに役立つと期待しています。
■ 特長
(※ 関連資料を参照してください。)
■ ロボットの主な仕様
(※ 関連資料を参照してください。)
■ 臨床検査会社 株式会社ビー・エム・エルについて
会社業容:バイオ・医療情報システム関連事業。生化学検査・血液学検査から細胞性免疫検査・DNA検査などの特殊検査まで、臨床検査の全分野の検査体制を全国に展開し、1日に100,000人分を超える検査を行う。その他、電子カルテなどの医療情報システム事業、遺伝子解析・食品衛生検査など。
本 社:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-21-3
社 長:荒井 元義
創 立:1955年7月
資本金:60億4558万円(2006年3月末現在)
売上金額:707億1256万円(2006年3月期 連結)
従業員数:2,463名(2006年3月末現在 連結)
以上
■ お問い合わせ先
松下電工株式会社 生産技術研究所 ロボット技術開発グループ
TEL 06-6908-1131(大代表)