BCN、ノートパソコンの販売動向調査結果を発表
■ノートPC、サブノート系の縮小顕著でモバイルとしての意識遠のく
軽量化すすみ「A4」は3kg割り込む、「B5」は1.2kg台で推移
株式会社BCN(本社:東京都文京区、代表取締役社長 奥田喜久男)は、BCNランキングデータをもとにノートPCの販売動向をまとめた(12社データ使用)。その結果、「B5」や「ミニノート」(ミニ)のサブノート系は断続的に需要が縮小、「A4」へのシフトが一段と強まったことで、モバイルとしての利用意識はやや遠のく傾向にあることを示している。需要構図の変化に伴い販売価格は「A4」が前年に比べて値を下げたのに対して、「B5」は割高感が現れている。軽量化も進展し、「A4」は3kgを割り込み、「B5」は1.2kg台で推移している。
・図表1 台数構成比と伸び率
・図表2 ジャンル別の平均販売価格
●A4の台数構成比率が上昇し06年9月は92.7%台を占有、B5は6.0%に縮小した。市場全体の伸び率は回復基調にあるとはいえ、9月は前年同月比92.9%。主力のA4は小幅なダウンにくいとどめた半面、B5は復調気配が現れつつあるとはいえ67.6%にとどまり勢いを欠く。ソニー製バッテリの不具合発覚による影響で、消費者マインドにも微妙に影を落としている可能性もある(図表1)。平均販売価格は、前年に比べてA4は値を下げて13万円台、逆にB5は割高感が現れ19万円台で推移している(図表2)。
・図表3 「A4モデル」の重量
・図表4 「B5モデル」の重量
●A4、B5とも軽量化がすすみつつある。A4の平均ははじめて3kgを割り込み、「2.5-3.0kg未満」が最大のボリュームゾーンに。「2.0-2.5kg未満」も比率を高めており、いずれこのゾーンが主流になる可能性もある(図表3)。一方、B5も「1.0-1.5kg未満」の比率が7割を超えており、平均は1.2kg台で推移中。モバイルに適した「1kg未満」も小刻みに比率を高めており、いずれ2割を超える可能性を秘めている(図表4)。
・図表5 「A4モデル」メーカー別台数シェア
・図表6 「B5モデル」メーカー別台数シェア
●A4は4社が2桁シェアを維持する展開で、9月は富士通が20%台を確保してトップシェアを奪還、東芝とNECが追い上げる展開。低価格性と販路拡大でゲートウェイの動きも好調で、9月は8.6%を確保し10%が射程圏に入ってきた(図表5)。一方、B5は松下電器が半数を超えるシェアを維持、2番手のソニーを引き離す展開で、2社による主導権争いが引き続き続く見通し(図表6)。
※ BCNは、全国のパソコン専門店、家電販売店22社(アマゾンジャパン、アロシステム、エイデン、大塚商会、ギガスケーズデンキ、グッドウィル、サクセス、さくらや、上新電機、ストリーム、ソフマップ、ZOA、九十九電機、T・ZONEストラテジィ、デオデオ、100満ボルト、ビックカメラ、ピーシーデポコーポレーション、ベスト電器、ミドリ電化、ムラウチ、ラオックス=50音順)2274店舗(2006年9月末現在)の日次配信データをデイリーで収集し配信するBCNランキングを公表しています。このデータをもとに、PCリテール市場の動向を分析したニュース配信を行っています。