そーせいグループ、「AD337」の第II相臨床試験を開始
開発品 AD337の第II相臨床試験開始について
当社グループの開発品AD337について、第II相臨床試験を開始いたしましたことをお知らせいたします。AD337は、既承認の中枢性非オピオイド鎮痛剤成分から光学異性体の一方を単離した単一異性体であり、線維筋痛症候群(FMS:fibromyalgia syndrome)を適応症として開発を進めております。
本治験は、線維筋痛症候群と診断された35-60歳の女性患者を対象として、多施設共同・無作為化・二重盲検・プラセボ対照・並行群間比較・探索的試験としてAD337の有効性、安全性および忍容性を評価するものです。英国およびオーストラリアの約20ヵ所の医療機関において約100名の被験者の登録を目標として実施されます。
これまでに実施された第I相臨床試験(単回投与、反復投与)では、計49名の被験者において忍容性および優れた薬物動態が示されました。
AD337はセロトニン・ノルアドレナリン再取込阻害剤(SNRI)であり、線維筋痛症候群において症状改善が認められている他剤と比較しうる薬理作用をもち、抗うつ作用および抗不安作用も示唆しております。本剤は、薬物相互作用発現の可能性が低いことも期待されており、本疾患領域に最適な特性をもちあわせております。また、他の適応症に対しても有用と考えられております。
線維筋痛症候群は、米国での罹患率は約2%といわれ、主に35-60歳の女性に発症しやすいとされています。広範囲の骨格筋痛を特徴とし、疲れ、睡眠障害、抑うつなどの症状を伴います。原因ははっきりとは解明されていませんが、セロトニンとノルアドレナリンに関する機能障害が関与していると考えられています。本疾患に対し、ある程度有効な治療法は報告されていますが、本疾患を適応症として承認を受けた医薬品は現在のところありません。
線維筋痛症候群の世界的な市場性は現在約350億円程度とみられ、本疾患に対する治療法が確立することにより10年以内に1,100億円を超える規模に成長するものと考えられています。
当社代表執行役社長 田村眞一は次のように述べております。「この度AD337の第II相臨床試験を開始し、有効性を評価する重要な段階に進んだことを喜ばしく思っております。本開発品がこの疾患領域のアンメット・メディカルニーズを満たす重要な医薬品となることを期待しております。」
以上