サクサなど、畜産の個体管理市場におけるトレーサビリティシステムを開発
サクサ、ソラン、フジタ製薬と共同で、畜産の個体管理市場におけるトレーサビリティシステムを開発
~小型ICタッグを利用した、生産履歴管理システム~
田村大興ホールディングス株式会社(東証1部:6675)の事業中核会社であるサクサ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:吉岡正紀、資本金:107億円)、ソラン株式会社(東証1部:9750)(本社:東京都港区、代表取締役社長:千年正樹、資本金:68億7800万円)およびフジタ製薬株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤田和平、資本金:1000万円)は、共同で小型ICタッグを利用し家畜1頭ごとの飼料や投薬などの生産・流通の履歴情報を管理するシステムを開発しました。生産現場で使用するシステムにはWindows(R)※1をベースとしたPDA(携帯情報端末)の採用により操作性に優れたユーザーインターフェースを実現しています。また、豚個体に投与される薬品の休薬期間を厳密に管理できる機能を搭載しており、今年の5月末に施行されたポジティブリスト制度※2に対応している点が大きな特徴となっています。
【背景】
食品に由来する危害要因が多様化するとともに、偽装表示事件等により消費者の食品に対する不安がこれまで以上に高まっていることから、生産・加工・流通の各段階で食品の安全性確保対策の充実・強化が求められています。国産牛肉では、生産・流通の過程をたどることを義務付けた牛肉履歴管理法が2003年末から施行されています。豚肉に関しても2004年7月に生産情報公表豚肉JAS規格が施行されるなど同様のトレーサビリティシステムが求められています。
【システム概要】
今回リリースするシステムは、生産農家における生産履歴管理システムです。生産情報公表JAS規格の認定を視野に入れ、小型ICタッグを使用した個体管理の仕組みを前提としています。豚や牛など家畜の耳に、RFIDを内蔵したこの小型ICタッグを装着することで、家畜の生産から加工、流通までのトレーサビリティを容易に実現することができます。さらに、日本国内の生産農家では、大部分が群単位で飼養管理を行っているため、1頭ごとの個体管理だけでなく、群管理をベースとしたオペレーションができるよう簡素化されています。
個体管理に使用するツールには、耐環境性に優れたWindows(R)CE5.0※1を搭載した業務用PDAを採用しています。
なお、養豚の現場で使用するPDAは、主に以下の機能を実装しています。
・豚個体管理(個体登録、移動登録、個体照会など)
・給餌管理(個体給餌登録、豚房給餌登録、給餌履歴照会など)
・投薬管理(個体投薬登録、豚房投薬登録、投薬履歴照会など)
・出荷管理(出荷豚群登録など)
・データ管理(データ送受信など)
日々の現場業務で複数のPDAに登録されたデータは、PC版の生産履歴管理システムに登録され、これらの履歴データをデータセンタに送信することで、トレーサビリティデータとして一元管理されます。また、PDA側の出荷登録処理では最終投薬からの休薬期間チェック機能も搭載しており、ポジティブリスト制度にも対応しています。
なお、本小型ICタッグは沖縄県が2005年度から実施している琉球在来豚「アグー」による「おきなわブランド豚作出事業」に、個体識別登録用のRFID耳標として採用されております。
<各社の役割>
サクサ:小型ICタッグ、リーダライタ機器等の設計、製造
ソラン:生産履歴管理システムおよびトレーサビリティシステムの開発導入、運用
フジタ製薬:畜産業界に対するコンサルティング、販売
小型ICタッグの特徴
(1)小型軽量で装着した家畜への負荷を最小限に抑えています。
(2)RFIDを樹脂製のケース内に収めた構造を採用し、小型ICタッグ本体の耐久性向上と脱落しにくい形状を実現しています。
(3)再利用が困難なタンパプルーフ構造※3を採用。
(4)小型ICタッグにはレーザーマーキングが可能なため、高耐久性の印字ができます。
(5)従来の手書きやバーコードでは、汚れて読めない、データの誤入力・誤操作により間違った情報の蓄積等の人為的不確実性が小型ICタッグにすることで、このような問題が解消され、最小限の手間で家畜の個体管理ができます。
<主な仕様>
小型ICタッグ:周波数13.56MHz
サイズ:直径30mm 厚さ5.8mm
重量:約6.2g
【システム図】
※添付資料参照
※1 Windows は米国マイクロソフト社の米国および他の国における登録商標または商標です。
※2 基準が設定されていない農薬等が一定量以上残留する食品の販売等を原則禁止する制度。
※3 いったん装着した小型ICタッグの再装着を困難にする構造。
サクサ株式会社
田村大興ホールディングス株式会社(東証1部:6675)の事業中核会社として、2004(平成16)年4月に設立。
IP機能を持つキーテレホンシステムを主力としたネットワークソリューション事業と非接触ICカード技術を活かしたセキュリティソリューション事業を展開。ビルや店舗、家庭における多様なセキュリティ環境の構築、キャンパス、マンションなどのICカードシステムや、鉄道、バスなどの交通システムを通じて安心、安全で便利なカード社会の実現を目指している。
ソラン株式会社
1970(昭和45)年に設立されたアプリケーション開発と運用を主力業務とする東証1部上場の独立系ソフトウェア開発会社。システムの調査・分析・コンサルテーションから、設計・開発・アウトソーシングに至るまで情報システムのライフサイクルを全般的にサポートする。
フジタ製薬株式会社
1930(昭和5)年に設立された、動物用医薬品製造販売会社。個体識別耳標(イヤータッグ)におけるマーケットリーダーで、商業市場、牛個体識別事業に各種の耳標(イヤータッグ)を供給し、畜産界に長年貢献している。この度、RFIDを用いた豚個体識別トレーサビリティシステムの普及を目指し、ソフトおよびハードを含めたシステム販売を開始する。