米サン、未来のバーチャル・データセンター構想「Project Blackbox」を発表
米国サン、未来のバーチャル・データセンター構想
「 Project Blackbox 」を発表
- 輸送コンテナをベースに
ハイスケールで高効率のデータセンター環境を実現する高コストパフォーマンスのソリューション
Web 2.0の展開からデータセンター拡張、緊急時対応、ローカルなハイパフォーマンス・コンピューティングなどに幅広く対応
世界で最も斬新なバーチャル・データセンターの概要を紹介 ---
米国サン・マイクロシステムズ社(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO:ジョナサン・シュワルツ、以下サン)は、データセンターについての経済観念を一新する画期的な「 Project Blackbox 」を発表しました。
これは、標準的な輸送コンテナにコンピュータとストレージ、ネットワーク・インフラを設置し、さらに高効率の電源や冷却装置を組み込んでモジュラーユニット化するものです。シンプルで即時稼働できるこのモジュラー・データセンターは、サンならではの斬新な発想とネットワーク・コンピューティングの専門ノウハウから生まれたもので、無人インフラを迅速に効率よく導入したい企業に最適です。プロトタイプは、いつどこでも素早くフレキシブルに設置できるよう設計されています。
サンの社長兼CEO、ジョナサン・シュワルツは、次のように話しています。
「データセンターは電力とスペースの制約に縛られて機能マヒ寸前で、今のままではとうていWeb 2.0のニーズには対応できない、と各社のIT責任者は口々に私に訴えています。現在のデータセンターは、あくまで人間がコンピュータを世話する、という視点で設計されており、これにいくら改良を加えても限界があります。そこで、世界で最も広く採用されている業界標準の輸送コンテナをベースにモジュール式の無人データセンターを構築する、というアイデアが生まれ、そこから「 Project Blackbox 」が始動しました。その結果、初期費用は従来の100分の1、単位面積当たりのコストは5分の1に抑えながら、電力消費効率を20%高めることに成功しました。地球上のあらゆる場所で、データセンターの容量や機能を好きなだけ増やすことが可能となったのです」
サンの仮想インフラのコア部分を支えるSolaris(TM) 10オペレーティング・システムは、ワンウェイのサーバから数百テラフロップスのハイパフォーマンス・コンピューティング環境までをサポートします。Solaris 10のパワーとサンのサーバ/ストレージ技術を組み合わせたブラックボックスは、1基につき250台のSun Fire(TM)サーバを設置することができ、最大ストレージ容量は2ペタバイト、メモリは7テラバイトに達します。
現在「 Project Blackbox 」で構想と開発が進められているのは、事前構成済みの完全一体型データセンターで、最大限のコンピューティング密度とパフォーマンス、効率、および完全なリサイクル性を発揮します。フォームファクタと基盤技術は以下のとおりで、さまざまな新しい用途への対応が可能です。
● Web 2.0の迅速展開:
データセンター用スペースを必要としながら、これを設計・構築する時間がないWeb 2.0企業にコンピューティング・リソースを提供
● 高度な軍事用途:
時と場所を問わず配備が可能
● 発展途上国:
従来型のデータセンターをサポートする電力/ネットワーク・インフラのない地域でも、即時稼働するコンピューティング施設の設置が可能
● 石油開発と地震モデル作成:
洋上の石油掘削リグから発展途上地域まで、ほぼあらゆる場所にハイパフォーマンス・コンピューティングを提供
● 代替エネルギー源の活用:
データセンターを柔軟に移動することで、代替エネルギーやより安いエネルギーの利用が可能
「 Project Blackbox 」は、現在プロトタイプ段階の後期に入っています。
サンはすでに早期発注のお客様と共同作業を開始しており、2007年半ばには商用ベースの提供を始める予定です。「 Project Blackbox 」の詳細については、 http://sun.com/blackbox をご参照ください。
本資料は、米国にて10月17日(現地時間)に発表されたプレスリリースの抄訳です。原文は以下のURLでご覧いただけます。
http://www.sun.com/smi/Press/sunflash/2006-10/sunflash.20061017.3.xml
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