富士通、モバイル機器・デジタル家電向け電磁ノイズ対策LSIを発売
モバイル機器・デジタル家電向け電磁ノイズ対策LSIを新発売
~スペクトラム拡散クロックジェネレーターに新ラインナップを追加~
このたび当社は、電子機器内のクロック周波数に起因する電磁放射ノイズ(EMI)(注1)対策LSIである、スペクトラム拡散クロックジェネレーター(以下SSCG)(注2)に、新たに2製品を追加し、11月初旬より順次、提供を開始します。
携帯電話や携帯オーディオプレーヤーなどのモバイル機器向けに、1.8ボルトという低電圧動作の小ピンパッケージ品「MB88163」を、またDVDレコーダやテレビなどの高機能デジタル家電向けに、最大8本のクロック出力を持ち複数のEMI対策をワンチップで行える「MB88181」を提供いたします。
近年、DVDレコーダやテレビなどのデジタル家電や、携帯電話や携帯オーディオプレーヤーなどのモバイル機器の高機能化や付加機能追加に伴い、電子機器内のクロック周波数の種類も増加し、それに起因するEMI対策も重要な課題となっています。
SSCGとは電子機器のEMI対策用のLSIであり、当社では2003年より世界最高レベルのEMI低減効果を持つ独自の特許技術を活用したSSCGを販売してきました。
このたびこのSSCGに2製品を追加します。小型高性能化が進み低消費電力が求められる携帯機器向けに、従来の3.3ボルトに対して1.8ボルトの低電圧化を実現した「MB88163」を開発しました。また、高機能デジタル家電向けに、複数クロックに起因するEMI対策をワンチップで行うことができる「MB88181」を開発しました。これにより機器内の部品点数の削減、基板面積の縮小に貢献します。
図 当社SSCG製品のロードマップ(*添付資料参照)
<サンプル価格、および提供開始時期>
製品名 サンプル価格(税込) サンプル提供開始時期
「MB88181」 400円 2006年11月初旬
「MB88163」 70円 2007年3月初旬
販売目標
月産500万個(2種合計)
本製品の特長
当社独自の変調方式による高いEMI低減効果
当社のSSCGは、特許出願済の独自技術「デジタル制御による変調方式」「変調周期の複合化」により、世界最高レベルのEMI低減効果を実現しています。
小パッケージ、低電圧対応を実現
「MB88163」では、動作電圧1.65ボルトから1.95ボルトに対応しているため、携帯電話や携帯オーディオプレーヤーなどのモバイル機器で採用されている1.8ボルト系のクロックにご利用いただけます。
多出力クロック対応で基板面積の縮小を実現
「MB88181」では、内部に4個のPLL(注3)を搭載しており、最大で8本の出力クロックの出力倍率をお客様に合わせて設定することができます。電子機器内の複数クロック周波数を本製品1つでまとめることで、部品点数を削減し、基板面積の縮小が可能です。
添付資料
「MB88181」「MB88163」の主な仕様
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
注1 EMI ( ElectroMagnetic Interference):
電子機器内の回路で発生する電磁障害のこと。EMIノイズが多いと他の機器の動作に影響を与える恐れがある。
注2 スペクトラム拡散クロックジェネレーター(Spread Spectrum Clock Generator): 発振クロックの周波数をわずかに変動させることでEMIノイズを低減させるLSI。
注3 PLL(Phase Locked Loop) :
入力信号や基準周波数などと、出力信号との周波数タイミングをあわせるための電子回路。