ATRグループ、海外旅行用翻訳システム「TraCha」を携帯電話コンテンツとして提供開始
「海外旅行用翻訳システム(サービス名称:TraCha)」携帯電話コンテンツとしてサービス提供の開始
(株)国際電気通信基礎技術研究所(「けいはんな学研都市」、社長 畚野信義、略称 ATR)のグループ会社である(株)ATR-Lang(社長袋谷丈夫)は携帯電話を使った海外旅行用翻訳システムのコンテンツプロバイダー事業を開始します。同事業は、ATR音声言語コミュニケーション研究所(所長 中村哲)が開発した高精度翻訳技術をベースに、多言語のテキスト翻訳サービスを提供するものです。ユーザとしては、海外への旅行者(約2000万人/年)や海外からの旅行者を顧客とする施設の従業員、さらに、外国語の学習者を想定しています。利用料金は月額150円とし、初年度10,000人の獲得を目指します。10月19日に日英間のテキスト翻訳サービスをauのコンテンツとしてスタートし、本年末までにDOCOMOとSOFTBANKでのサービスを開始します。さらに、日中間のサービスを今年度末までに開始する予定です。
また、翻訳機能以外にも、旅行でよく使われるヒトコト集、超ミニ会話集、対訳辞書も用意しています。また、文字だけでなく、ATRの最新技術によって高品質合成音声で相手の言語で伝えることができます。
今回事業化する翻訳技術は、対訳コーパス(原文と手本とすべき翻訳文のペアを大量に集めたもの)を使う手法であり、次のような長所を持っています。(1)少ない人手で短時間に翻訳システムを構築することが可能である。(2)対訳コーパスの量が十分大きい場合にはその翻訳品質が極めて良い。この翻訳技術と世界最大のATR対訳コーパス(日本語、英語で100万文、中国語、韓国語で50万文)と用いて、世界最高の翻訳品質を実現することができました。
今後、ATRではニーズが高い言葉(フランス語、ドイツ語、イタリア語、タイ語、インドネシア語、タガログ語、マレーシア語、ベトナム語、ヒンディ語、アラビア語など)のコーパスを整備し、それらの全ての組合せのテキスト翻訳システムを構築します。その成果を多言語翻訳サービスとして展開し、コンテンツプロバイダー事業を拡大して行きます。
さらに、2008年度のスタートを目指して、自分の声で入力できる音声翻訳システムの事業化を進めていきます。
今回開発した翻訳技術の一部は、ATRが独立行政法人情報通信研究機構(NiCT)から受託したプロジェクト「大規模コーパスベース音声対話翻訳技術の研究開発」の成果です。本技術に関して国内外144件の特許を出願しています。
[ 補足説明 ]
1)旅行会話の例
ATRは海外旅行中に遭遇する様々な場面(飲食、買物、宿泊、入出国、観光など)で典型的に交わされる会話を大規模に集めました。これを対訳コーパスと言います。翻訳システムはこの対訳コーパスから自動的に学習した知識に基づいて翻訳します。例えば、次のような文が翻訳できるので、海外旅行先でのトラブルの際などをはじめ大いに役に立つでしょう。
2)本サービスの特徴
本サービスは、海外旅行での会話を充実させるのに役立つコンテンツ、高品質な翻訳システム、ヒトコト集、超ミニ会話集、対訳辞書を提供します。これらは全て100万文(世界最大)の旅行会話データに基づいて作成された「優れもの」です。
3)利用方法
【EZトップメニュー】→「カテゴリで探す」→「地図・交通・旅行」→「旅行・宿泊予約」→「TraCha」
4)料金
利用料金は150円/月。
24時間の無料お試し期間を設定。
(※ 詳細は添付資料を参照してください。)