森永乳業、「ヨーグルト・乳酸菌飲料摂取によるアレルギー発症への影響」に関する調査結果を発表
<速報> 森永乳業株式会社 食品総合研究所より
ヨーグルト・乳酸菌飲料摂取によるアレルギー発症に対する影響について
- 疫学調査から -
第56回日本アレルギー学会秋季学術大会(2006年11月2日-4日)発表 研究成果のご報告(2)
森永乳業(株)食品総合研究所は、日赤和歌山医療センター・耳鼻咽喉科部長 榎本雅夫先生と共同で、日ごろのヨーグルトや乳酸菌飲料の摂取の有無によるアレルギーの発症への影響について、アンケートによる疫学調査を行い、乳酸菌やビフィズス菌の摂取がアレルギー疾患の発生に深く関与していることが分かりました。この内容を第56回日本アレルギー学会学術大会(2006年11月2日-4日)において発表いたします。
[ 調査の背景 ]
近年、乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスによる抗アレルギー作用への関心が高まりつつあるなかで、日ごろの食生活におけるヨーグルトや乳酸菌飲料の摂取によるアレルギー発症への影響についての報告がほとんどなされておりません。今回は普段の食生活のなかで、ヨーグルトや乳酸菌飲料の摂取の有無で、アレルギーの発症へどれくらいの影響を与えているかをアンケート方式で調査しました。
[ 調査の方法 ]
和歌山県下の中学1年生を対象に,各種アレルギー疾患の有無、家族におけるアレルギー疾患の有無、ヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆などの発酵製品の摂食習慣、血清総IgE値と特異的IgE抗体価について調査を実施し、得られた134人の回答について解析を行いました。
【発酵食品摂食習慣に関するアンケートの内容】
1)ヨーグルト、乳酸菌飲料の摂取の有無および頻度
2)納豆の摂取の有無および頻度など
[ 調査結果 ]
(1)ヨーグルト・乳酸菌飲料の摂取とアレルギー疾患発症の関係
摂食習慣がほとんどないものと比べて、ヨーグルトや乳酸菌飲料の摂取歴のあるの人は気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎などのアレルギー疾患の有病率(既往歴+現病歴)を1疾患以上持つ人(p<0.05),2疾患以上持つ人(p<0.05),3疾患以上持つ人(p<0.1)が有意に少なかった、または少ない傾向を示めしました。
また、ヨーグルトや乳酸菌飲料の摂取歴のある人では,血清総IgE値が有意に(p<0.01)低値でした。
一方、納豆の摂取での有無については、ヨーグルトや乳酸菌飲料摂取のような差異は認められませんでした。
〔図1〕ヨーグルト・乳酸菌飲料摂取の有無によるアレルギー疾患の有病率
〔図2〕ヨーグルト・乳酸菌飲料摂取の有無による血清総IgE値
(参考)納豆摂取の有無によるアレルギー疾患の有病率
(参考)納豆摂取の有無による血清総IgE値
(※ 関連資料を参照してください。)
[ まとめ ]
乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスによるアレルギー抑制効果、およびアレルギー疾患の発症に腸内細菌が深く関与していることを裏付ける疫学調査の結果となりました。