富士キメラ総研、光学部品材料の世界市場調査結果を発表
世界のAV・OA・医療機器用光学部品・材料市場調査を実施
大容量、高画素、高精細により成長が続くAV用光学部品
マーケティング&コンサルテーションの(株)富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 表 良吉03-3664-5841)は、AV機器用・OA機器用・医療機器用光学部品材料の世界市場を調査分析した。その結果を報告書「2006 光産業予測便覧 Vol.2 AV・OA・医療機器用部品材料編」にまとめた。
本報告書では、光ピックアップ用光学デバイス6品目、携帯電話向けカメラ用光学デバイス5品目、デジタルスチルカメラ(DSC)/ビデオカメラ(DVC)用光学デバイス6品目、車載カメラ用光学デバイス3品目、監視カメラ用光学デバイス3品目、データプロジェクタ/リアプロTV用光学デバイス7品目、OA機器用光学デバイス9品目、医療機器用光学デバイス5品目、加工用レーザ3品目、マテリアル2品目、計49品目の市場動向について調査・分析した。
<調査結果の概要>
2005年から2006年にかけてのAV用光学部品市場は、デジタル化や通信系のブロードバンド化の進展により、大容量、高画素、高精細が前年以上に進んでいる。2005年は全ての製品分野で前年を上回った。光ピックアップ用は、付加価値の高いDVD記録型が伸び、次世代DVD市場も2006年に立ち上がった。カメラ付携帯電話は、日本や韓国では2M(メガ)、3Mなど高画素化が進んでいるが、カメラ付携帯電話自体が新しく市場化された国や地域も多く、全体ではVGA、1Mが主流となっている。DSC/DVC用では、数量ベースでは今後も伸びていくが、各部品の低価格化が進み金額ベースでは微減が予測される。医療機器用では、眼科、歯科、皮膚科、形成外科で使われる半導体レーザ、固体レーザの価格が高く、耐用年数が長いこともあり市場は一巡化し今後横ばいか微減が予測される。
<製品分野別市場>
光ピックアップ用光学デバイス
2006年見込 1兆2,471億円 2010年予測 1兆3,337億円(伸長率106.9%)
DVD記録型の伸びは著しいが、CD-R/RWは2005年にスリムタイプの生産が中止され大幅に減少した。2006年は青紫色半導体レーザを用いる次世代DVD用光ピックアップ市場が形成された。半導体レーザでは、CD系780nm帯LD市場がここ数年減少している。DVD系650nm帯LDも、記録型が伸びているもののDVD-ROM用などの減少が大きく、2007年以降は微減と予測される。2波長レーザはDVD-ROM/DVDプレーヤ向けをメインに、Combo、DVD記録型、ハイパワータイプも増加していく。
携帯電話向けカメラ用光学デバイス
2006年見込 5,578億円 2010年予測 7,337億円(伸長率131.5%)
携帯電話向けカメラは高画素化が進んでいるが、携帯電話にカメラが新規に搭載される国ではVGA、1Mが多いため、ボリュームゾーンはVGA、1Mとなっている。日本や韓国では2M、3Mが普及している。カメラ付携帯電話市場は当面伸びていくと予測される。センササイズが小型化、微細化しているためレンズも小型化している。
DSC/DVC用光学デバイス
2006年見込 4,189億円 2010年予測 3,783億円(伸長率90.3%)
2006年のDSC市場は、特に一眼レフタイプが好調であった。画素数別では、2005年、2006年とも500万画素レベルがボリュームゾーンである。次に続くゾーンは、2005年が400万画素台であったのに対し、2006年は600万画素台となり、高画素化はさらに進んでいる。イメージセンサはCCDが主流である。レンズではプラスチックレンズを採用するケースが増加している。
車載カメラ用光学デバイス
2006年見込 182億円 2010年予測 429億円(伸長率235.8%)
車載カメラ市場は、現状では高級車中心の搭載であり、後付市場はほとんど無い状況である。また市場の90%以上は日本である。画素数は30万画素が一般的であるが、今後はSXGAクラスの画素数が必要とされており、2007年からSXGAの採用が始まる見込みである。レンズは、視覚系にはプラスチックレンズ、画像認識系にはガラスレンズが使用されており、現状ではプラスチックレンズが多い。
監視カメラ用光学デバイス
2006年見込 451億円 2010年予測 531億円(伸長率117.7%)
テロ・凶悪犯罪の多発などの要因により、消費者の意識が従来のプライバシー重視からセキュリティ重視へと変化したため、監視カメラ市場が増加している。センサは、夜間暗闇でも撮れる高感度センサの需要が拡大しているが、高感度と高画素はトレードオフの関係にあり、両方を高めていくのは難しい技術となっている。現在は40万画素の監視カメラがメインであるが、ネットワークカメラの増加に伴いSXGAクラスの画素製品が増加するとみられる。
<光学部品市場>
イメージセンサ
数量 2006年見込 8億2千万個 2010年予測 13億9千万個(伸長率169.5%)
金額 2006年見込 4,183億円 2010年予測 4,844億円(伸長率115.8%)
リニアイメージセンサ OA機器用CCDリニアセンサ・密着型イメージセンサ(CIS)
エリアイメージセンサ カメラ付き携帯電話用・デジタルスチルカメラ用・デジタルビデオカメラ用・車載カメラ用・監視カメラ用
カメラ付き携帯電話の普及に伴い、イメージセンサ全体市場が急成長している。2005年のカメラ付き携帯電話用イメージセンサは3億8,260万個であり、イメージセンサ全体の約3分の2を占めた。エリアイメージセンサをみるとカメラ付き携帯電話だけでなく、他の用途でも軒並み成長している。
リニアイメージセンサ市場は、OA機器市場に左右される。複合機(MFP)用は需要が旺盛で、リニアイメージセンサで期待されている市場であるが、単機能のファクシミリ用やイメージスキャナ用は衰退気味の市場である。被写体はほとんど静止画に限定され、イメージスキャナやファクシミリ、複写機等に使用される。リニアイメージセンサ市場では、CCDリニアセンサが密着型イメージセンサ(CIS)に市場を侵食されているため、減少傾向にある。OA機器全体が増加傾向にあることから密着型イメージセンサ市場が拡大し、2005年のリニアイメージセンサ全体の市場は前年比6.9%増の8,680万個となった。また今後需要拡大が望める分野としては、CCDリニアイメージセンサは複写機/複合機が、密着型イメージセンサはインクジェットMFPが挙げられる。
今後もイメージセンサ市場は堅調に推移していくとみられ、特にカメラ付き携帯電話は日常持ち歩く必需品といえるため、新規の需要に加えて買い替え需要もあり、イメージセンサ全体の中でさらに大きなシェアを獲得していくと予測される。カメラ付き携帯電話以外では車載カメラが注目される。車載カメラ用は自動車の安全性が叫ばれ、今後法規制が追い風となり需要が拡大するとみられる。
レンズ
数量 2006年見込 49億個 2010年予測 65億個(伸長率132.7%)
金額 2006年見込 2,116億円 2010年予測 2,172億円(伸長率102.6%)
光ピックアップ用(対物レンズ、コリメータレンズ、センサレンズ)、カメラ付き携帯電話用、デジタルスチルカメラ用、ビデオカメラ用、監視カメラ用、プロジェクタ投射系、プロジェクタ照明系、OA機器用(fθレンズ、コリメータレンズ)が対象で、車載用および内視鏡用は含まない。
2005年の対象レンズのワールドワイド市場は、数量ベースで40億個を超え、金額ベースでは約2,000億円である。数量ベースで市場を牽引しているのは光ピックアップ用と携帯電話用である。光ピックアップ用は、大きな増加はないものの、毎年安定した需要が見込まれる。現状は記録型DVDがメインであるが、次世代DVD市場の成長が期待される。一方、携帯電話用は、カメラ機能付き端末が引き続き好調であり、2006年以降も拡大傾向となる見込である。DSC用は、DSC市場の成長鈍化を背景に微減傾向と予測される。
レンズタイプ別に見ると、2005年は数量ベースで約70%がプラスチックレンズ(マイクロレンズアレイのハイブリッドタイプはプラスチックに分類した)であった。また、2006年は、携帯電話向けの増加により、プラスチックレンズのウェイトが増加する見込である。プラスチックレンズの牽引役は携帯電話向けが中心となっているが、プロジェクタやデジタルスチルカメラなどでも一部プラスチック化が進行しており、さらにプラスチック化が進行すると予想される。
光ピックアップに使用されるレンズは、記録型DVDを含め殆どがプラスチックとなっている。一部車載用途などでガラスが採用されているが数量は僅かである。現在、次世代DVD用に使用される対物レンズはガラス製となっている。従来のCDやDVDでもガラスレンズからプラスチックレンズに移行しているため、将来的には次世代機でもプラスチック化が進むとみられる。
<調査対象>
* 関連資料 参照
<調査期間>
2006年8月~9月
<調査方法>
(株)富士キメラ総研専門調査員による調査対象・関連企業に対してのヒアリング取材及び(株)富士キメラ総研社内データベースの活用による調査・分析
以上
資料タイトル:「2006 光産業予測便覧 Vol.2 AV・OA・医療機器用部品材料編」
体裁 :A4判 333頁
価格 :95,000円(税込み99,750円)
調査・編集 :株式会社 富士キメラ総研 研究開発本部 第一研究開発部門
TEL:03-3664-5815 FAX:03-3661-5134
発行所 :株式会社 富士キメラ総研
〒103-0001東京都中央区日本橋小伝馬町2-5 F・Kビル
TEL03-3664-5841(代) FAX 03-3661-7696 e-mail:koho@fuji-keizai.co.jp
この情報はホームページでもご覧いただけます。
URL: http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ URL: http://www.fcr.co.jp/