J.D.パワー、「2006年日本携帯電話端末顧客満足度調査」結果を発表
携帯電話機メーカーの顧客満足度、カシオが2年連続第1位
2006年日本携帯電話端末顧客満足度調査
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮見南海男、略称:J.D. パワー)は、2006年日本携帯電話端末顧客満足度調査の結果を発表した。
当調査は、2006年8月実施の2006年日本携帯電話サービス顧客満足度調査の結果から、電話機購入後1年以内のユーザーに絞り携帯電話機メーカーに対する満足度について分析するもので、今回が3回目の実施となる。2006年日本携帯電話サービス顧客満足度調査の回答者7,500名中、携帯電話機購入後1年以内のユーザーは3,187名だった。
分析の結果、携帯電話機の総合的な顧客満足度は8つのファクター(領域)で構成されていることがわかった。それらは「デザイン・サイズ」(35%)、「バッテリー」(18%)、「品質」(18%)、「基本操作性」(11%)、「メール」(7%)、「カメラ」(5%)、「ディスプレイ」(4%)、「インターネット」(2%)となっている(カッコ内は総合的な満足度に対する影響度)。それらに対する顧客の評価をもとに総合顧客満足度スコアを算出している(1,000ポイント満点)。
なお、2006年日本携帯電話サービス顧客満足度調査の結果も本日別途発表する。
◆他社との差異性を具現化したメーカーが上位にランキング◆
主要電話機メーカー11社を対象とした総合顧客満足度ランキングでは、カシオが656ポイントで昨年に続き2年連続第1位となった。カシオは顧客満足度を構成する8ファクターのうち「バッテリー」、「基本操作性」、「メール」、「カメラ」の4つで11社中最も高い評価を得た。主力商品のW41CAを中心に、多機能でありながらも操作性が優れ、それがコンパクトなサイズに収められていることが高い評価につながっている。
第2位は636ポイントで三菱電機が入った。昨年の第6位から大きく順位が上昇している。ファクター別の評価では「デザイン・サイズ」と「ディスプレイ」でカシオを上回った。スライド開閉式や大型液晶搭載といった独自性がそれを好む層に高い評価を受けている。
第3位はソニーエリクソン(631ポイント)、第4位は昨年の8位から大きく順位を上げて日立(622ポイント)が入った。ソニーエリクソンは音楽関連機能に特色を持ち、日立はワンセグ機能への取り組みをいち早く行っている。今年上位にランクされたのは、いずれも他社との差異性を具現化したメーカーといえる。
◆携帯電話端末市場では、商品の独自性が従来以上に求められている◆
2004年以降の顧客満足度ランキングの推移を見ると、年々、シェアの高いメーカーのランキングが後退し、機能・性能で徹底した独自性を打ち出すメーカーが上昇する傾向が顕著になっている。今年の調査結果では、多機能と操作性のカシオ、大画面の三菱、音楽機能のソニーエリクソンが上位を占める一方、シャープ、NEC、パナソニック等シェアの高いメーカーの評価が低調となり、従来以上に明暗がはっきりと分かれた。
このことは、消費者の志向が「無難で安全な選択」から「自分らしさ/自分の価値観に見合う商品への欲求」へ転換しつつあることを示している。調査結果からは、ワンセグTV受信機能、音楽機能、防水機能への高い関心と共に、パケット定額制の普及により進むインターネットコンテンツの利用拡大の可能性もうかがえる。メーカーには、消費者が携帯電話機に何を期待しているかを把握する能力、自社のターゲットを選定する能力、その消費者の期待に応える商品を開発する能力が従来以上に求められている。画一的ではないメーカー独自の方向性を見出し、それを積極的に市場に提示してゆくことが市場を勝ち抜くための必須条件となっている。
< 株式会社J.D. パワー アジア・パシフィックについて >
当社は米国J.D. パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始めコンピューター、通信関連、OA機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。ISO9001およびプライバシーマーク取得。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイト www.jdpower.co.jp まで。
< J.D. パワー・アンド・アソシエイツについて >
ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D. パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、マーケティング・リサーチ、生産・販売予測、コンサルティング、教育・トレーニングおよび顧客満足度調査を実施している国際的な情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。ISO9001取得。
< ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて >
1888年に設立されたザ・マグロウヒル・カンパニーズは、スタンダード&プアーズ、マグロウヒル・エデュケーション、ビジネスウィーク、J.D. パワー・アンド・アソシエイツなどを通じて金融サービス、教育、ビジネスに関する情報を提供している国際的な情報サービス企業である。世界38カ国に290カ所以上の拠点を有し、2005年の売上高は60億ドルにのぼる。詳細はウェブサイト www.mcgraw-hill.com まで。