ＮＥＣエレクトロニクス、家電製品など向け３２ビットと１６ビットの汎用マイコンをサンプル出荷
搭載メモリの容量を増加させたことで最終製品の高機能化が実現できるフラッシュメモリ搭載型マイコン１６機種の発売について
ＮＥＣエレクトロニクスは、フラッシュメモリを搭載した汎用マイコン（以下オールフラッシュ・マイコン）事業の強化として、搭載されるフラッシュメモリの容量を最大２倍に、ピン数を最大約４割増加させることで、最終製品における高機能化と部品点数の削減を両立できる３２ビットおよび１６ビットの汎用マイコン合計１６機種を新製品化し、本年１２月より順次サンプル出荷を開始することにいたしました。
マイコン向けとしては最先端となる設計ルール１５０ナノメートル（ｎｍ）を採用したことで実現した新製品は、（１）現行機種に比べて約６割増加となる最大１メガバイト（ＭＢ）のフラッシュメモリを搭載した「Ｖ８５０ＥＳ／ＪＪ３」２機種、（２）現行機種に比べて倍増となる最大５１２キロバイト（ＫＢ）のフラッシュメモリと、４割の増加となる最大１４４本のピン（基板との接続端子）を搭載した１６ビットマイコン「７８Ｋ０Ｒ／Ｋｘ３」１４機種であります。
これらの製品を用いると最終製品（セット）メーカーは、従来は複数のマイコンを組み合わせて実現していた機能を一つのマイコンで実現できるようになり、音声ガイダンス機能、多彩なディスプレイ表示機能、様々なネットワークへの接続機能などの高機能を実現した音響機器や家電製品を、現行機種を用いた場合に比べて少ない部品点数で構築できるようになります。
新製品のサンプル価格は、「Ｖ８５０／ＪＪ３」の最上位機種が１，６５０円、「Ｋ０Ｒ／Ｋｘ３」の最上位機種が１，１００円であります。量産の開始時期は、「Ｖ８５０ＥＳ／ＪＪ３」が来年５月から、「７８Ｋ０Ｒ／Ｋｘ３」が来年１０月からを予定しており、来年度中には１６機種合計で月産１００万個の生産規模を実現する計画であります。
当社では、今回の事業強化により、経済的で小型な８ビットマイコンから高性能な３２ビットマイコンまで、幅広い領域に合計２０８機種という多様なオールフラッシュ・マイコンを提供できることになります。当社では、この豊富な品揃えを用いて積極的な販売活動を行うことで、マスクＲＯＭ搭載機種も含む８ビットマイコン「７８Ｋ０」全体と１６ビットマイコン「７８Ｋ０Ｒ」の合計で２００９年度に、３２ビットマイコン「Ｖ８５０」全体では２００８年度に、それぞれ１，０００億円の売上を達成する計画であります。
近年、家電製品などの各種セット製品においては、激しい競争を勝ち抜くための高機能化が重要な課題となっております。また、広範なユーザーの利用を可能にするユニバーサルデザインへの対応など、新たな機能の実現も求められております。一方、競争により急速に下落する製品価格への対応も避けられず、開発コストを低減しながら効率的にセットを実現できる部品への要望が強まっております。
当社では、上記のような要望に応えるため、セット開発の期間を短縮し、柔軟性を向上できるオールフラッシュ・マイコンにおいて、メモリ容量とピン数を増加させた新製品を開発いたしました。
また当社では、新製品の発売に併せて、オンチップデバッグとフラッシュメモリへの書き込み機能を低価格で実現した機器「ＭＩＮＩＣＵＢＥ２」（ミニキューブ）や、マイコンの周辺機能のドライバソフトウェア開発を支援する機器「Ａｐｐｌｉｌｅｔ」（アプリレット）、様々な書き込み環境の提供など、従来から実施している「使い易い環境の提供」を促進し、オールフラッシュ・マイコンを使ったシステム開発の効率化を支援してまいります。
当社では今回の新製品が、セットメーカーの開発を大幅に効率化できるものと考えているため、今後ともラインアップの拡充と機能の向上を継続する計画であります。
なお、当社では本年１１月１５日から１７日まで、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて開催される組込み総合技術展「Ｅｍｂｅｄｄｅｄ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ ２００６」にて、新製品の展示、実演を行います。
新製品の主な仕様については、別紙または製品ホームページ（ http://www.necel.com/micro/product/sc/allflash/ ）をご参照ください。
以 上
（備考１）言及した製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標。
（備考２）新製品はＳｉｌｉｃｏｎ Ｓｔｏｒａｇｅ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ， Ｉｎｃからライセンスを受けたＳｕｐｅｒＦｌａｓｈ（Ｒ）技術を使用している。ＳｕｐｅｒＦｌａｓｈ（Ｒ）は、米国Ｓｉｌｉｃｏｎ Ｓｔｏｒａｇｅ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ， Ｉｎｃの米国、日本などの国における登録商標。
（※ 別紙あり。）