パーソナルメディア、FPGA版PowerPCコアとLAN搭載のT-Engine開発キットを発売
FPGA版PowerPCコアとLANを搭載したT-Engine開発キットを新発売
組込みシステムの総合ソリューションを提供するソフトウェアメーカーのパーソナルメディア株式会社(代表取締役:泉名達也、本社:東京、電話:03-5475-2185、資本金 1,000万円)は、FPGA版PowerPCコアとLANを搭載した「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」の開発に成功し、2007年第1四半期より出荷いたします。本製品の価格は税込312,900円(本体価格298,000円)で、2006年12月5日よりパーソナルメディアのウェブショップを通じて受注を開始いたします。また、本製品の試作機は、11月15日(水)~17日(金)にパシフィコ横浜で開催される「Embedded Technology 2006/組込み総合技術展」(http://www.jasa.or.jp/et/)のパーソナルメディアブース(ブース番号:C-14)、および12月5日(火)~7日(木)に東京国際フォーラムで開催されるTRONSHOW2007(http://www.tronshow.org/)のパーソナルメディアブース(ブース番号3-1)にて展示いたします。
「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」の発売にあたっては、次の3点について大きな意義があります。
(1)FPGAベースのCPUで初めての標準T-Engine(*1)であること
プログラム可能なハードウェアとも言えるFPGA(*2)を活用することにより、ユーザの意図する組込み機器を短期間で開発できます。本製品では、CPU自身も大規模で高性能なFPGA(Xilinx Virtex-4)の上のIPコアとして実装することにより、極めて柔軟性の高いシステムを実現しました。
FPGA上に実装したCPUを利用したT-Engine関連製品としては、既に「μT-Engine/Nios II開発キット」が発売されておりますが、グラフィック画面やMMU(*3)など高度な機能を持つ標準T-EngineをFPGAベースで実現したのは、「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」が初めてです。
(2)LANを標準搭載した初めての標準T-Engineであること
昨今の組込み機器はネットワークに接続されるものが多く、開発評価用ボードにおいても、LANの機能は必須に近いものとなっています。T-EngineではLAN機能がオプションとなっており、必要に応じて拡張ボードを増設する形態になっておりますが、「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」ではCPUと同じFPGA内に搭載したLAN制御用のIPを利用して、LANを標準搭載としました。なお、TCP/IPプロトコルスタックおよびLANドライバは、別売りのオプションソフトウェアである「PMC T-Shell/PPC-V4FX開発キット」に含まれます。
(3)T-Kernelを初めてPowerPCコアに移植したこと
パーソナルメディアでは、既に多くのCPUにT-Kernelを移植した実績がありますが、本製品の開発ではPowerPC 405のコアに「PMC T-Kernel」の移植を行いました。その結果、ほぼ全ての32ビット組込み向けCPUの上で、「PMC T -Kernel」が動作するようになりました。
本製品に含まれる標準T-Engineボードは、ザイリンクス株式会社と菱洋エレクトロ株式会社が共同開発しました。「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」の発売にあたり、両社から次のようなコメントをいただいております。
■ザイリンクス株式会社 マーケティング部 マネージャー 西村 憲二 様
当社のFPGA、Virtex-4 FX60にはPowerPCコア以外にも高機能なIPを数多く搭 載できますが、それらの機能を実際の組込み機器で活用するには、ドライバ等の制御用ソフトウェアの整備が不可欠です。T-Kernelを搭載し、T-Engineベースの豊富なデバイスドライバやミドルウェアをすぐに利用できる「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」は、組込み制御用ソフトウェアの開発効率向上に大きく貢献します。
■菱洋エレクトロ株式会社 半導体応用技術センター 部長 石田 隆 様
組込み機器の開発では、ハードウェア、ソフトウェアとも多様な要求を満たす必要があります。ハードウェアの多様性に応える効率よいソリューションがFPGAであるとすれば、ソフトウェアの多様性に応えるのがT-KernelをはじめとするT-Engineプロジェクトの成果です。T-EngineやT-Kernelを熟知したパーソナルメディアと、ザイリンクス社および当社との強力なパートナーシップにより、FPGAベースの新しい組込み市場を開拓していきたいと考えます。
パーソナルメディアでは、T-Kernelの移植やサポートサービス、T-Engine用デバイスドライバやミドルウェアのご提供、「T-Engine/PPC-V4FX開発キット」をはじめとする各種のT-Engine開発キットの発売やT-Engineを用いたトータルソリューションのご提供などにより、今後も積極的にT-Engine関連ビジネスを推進し、ユビキタス機器の開発効率向上に貢献したいと考えております。
(*1)T-Engineプロジェクト(補足資料参照)では、OSなどソフトウェアの仕様だけではなく、開発評価用ボードの機能やボードサイズについても規定しています。この規定には、標準T-EngineボードとμT-Engineボードの2種類があります。標準T-Engineボードがグラフィック画面やタッチパネルなどのユーザインタフェースを持つ機器を想定しているのに対して、μT-Engineボードはこういったユーザインタフェースを持たない制御用のコンピュータを想定しています。
(*2)FPGA:Field Programmable Gate Arrayの略です。
(*3)MMU:Memory Management Unitの略です。
*補足資料あり。
◇参考情報、リンク集
T-Engineフォーラム
http://www.t-engine.org/
ザイリンクス株式会社
http://www.xilinx.co.jp/
菱洋エレクトロ株式会社
http://www.ryoyo.co.jp/
パーソナルメディアのT-Engineソリューション
http://www.t-engine4u.com/
■TRONは“The Real-time Operating system Nucleus”の略称です。
■TRON,BTRON,ITRON,eTRON,T-Engine,μT-Engine,T-Monitor,T-Kernelはコンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
■その他の商品名などは各社の商標または登録商標です。
■本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。
以 上