持田製薬、、「JELIS」で「エパデール」が冠動脈疾患の発症と再発を抑制など研究成果を発表
「エパデール」が冠動脈疾患の発症と再発を抑制
大規模試験「JELIS」の新たな解析結果が公表されました
11月14日(日本時間15日)、米国イリノイ州シカゴで開催中の米国心臓協会(American Heart Association:AHA) Scientific Sessions 2006において、高脂血症、閉塞性動脈硬化症治療剤「エパデール」(一般名:イコサペント酸エチル、EPA)の大規模試験「JELIS」について、新たに2つの解析結果が発表され、冠動脈疾患について既往のない人の発症抑制(1次予防)ならびに既往のある人の再発抑制(2次予防)に、エパデールが有用であることの詳細が以下のとおり明らかにされました。
発表者:千葉大学齋藤康教授(1次予防患者の解析)
・エパデールは、高コレステロール血症およびその他の危険因子(肥満、高TG血症または低HDL-C血症、糖尿病、高血圧)が重積した1次予防症例において、リスクのいずれの重積群においても対照群と比較して冠動脈イベントの抑制効果を示しました。
・エパデールは、高TG血症(150mg/dL以上)および低HDL-C血症(40mg/dL未満)を併せ持つ患者群において、対照群と比較して有意に53%冠動脈イベント抑制効果を示しました。
・これらの結果から、内臓脂肪蓄積を上流因子とするメタボリックシンドロームに、エパデールが有用である可能性が示されました。
発表者:山口大学松崎益徳教授(2次予防患者の解析)
・エパデールは、虚血性心疾患の2次予防、とくに心筋梗塞既往患者においては対照群と比較して有意に27%冠動脈イベント抑制効果を示しました。
・血清EPA/アラキドン酸比が高い群ほどイベント抑制に寄与し、とくに心臓突然死または心筋梗塞発生率は、高い群において有意に低下していました。
・松崎教授は「冠動脈イベント2次予防治療において通常の脂質低下治療に加えてエパデールを使用することが強く推奨される」とコメントされています。
JELISについては、引き続き種々の解析結果が発表される予定になっており、エパデールの新たな知見が期待されます。
以上
<ご参考>
大規模試験「JELIS」について
試験名称: Japan EPA Lipid Intervention Study(JELIS)
実施機関: JELIS 研究会(代表者:神戸大学横山光宏教授)
投与期間: 5年間
試験期間: 1996年11月~2005年3月
規模: 参加施設数約2,900施設
参加医師数: 約4,900名
登録患者数: 18,645名
対象: 総コレステロール250mg/dl以上の高脂血症患者
(男性40~75歳、女性閉経後~75歳)
デザイン: イコサペント酸エチル(EPA、商品名:エパデール)投与群と非投与群の無作為化非盲検化比較試験
(両群ともHMG‐CoA 還元酵素阻害薬治療をベースとする)
試験全体の登録総数18,645例(EPA群:9,326例、対照群:9,319例)を無作為に割付、全例にHMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンまたはシンバスタチン)を投与し、EPA群にはそれに加え、1,800mg/日のエパデ-ルを併用し、5年間の観察期間をもちました。
昨年度に発表した主な結果として、登録例全例18,645名を対象とした解析において、主要冠動脈イベントの発症率はEPA群で2.8%と、対照群3.5%に比べて有意に低く、EPA群における相対リスクは19%の減少を示しました。