アナログ・デバイセズ、センシング・アプリケーション向け「容量/デジタル・コンバータ」など発表
アナログ・デバイセズ、新しい容量/デジタル・コンバータ(CDC)とiSensor(TM)モーション・センシング・デバイスを発表
~ 自動車用および産業用アプリケーション向けにセンシング技術を最適化 ~
容量/デジタル・コンバータ(CDC)「AD7150」
集積プログラマブル・ハイg・インパクト・センサー「ADIS16204」
アナログ・デバイセズ社(ニューヨーク証券取引所:ADI)は、同社の容量/デジタル・コンバータ(CDC)およびiSensor(TM)インテリジェント・センサー・ファミリを拡張し、センシング・アプリケーション向けに、高感度、低消費電力、低コスト、そしてサイズの小型化という特長を組み合わせた新しいデバイスを2種類発表します。
今回発表するのは、センサー・システム向けCDC製品シリーズに加わった新製品で高感度近接センシング・アプリケーション向けに設計された超低消費電力CDC「AD7150」と、業界初の集積プログラマブル・ハイg・インパクト・センサー「ADIS16204」です。
CDCデバイス「AD7150」は、自動車用リモート・キーレス・エントリ・システムのような近接センシング・アプリケーション向けに、優れた電力効率、感度、応答時間、および堅牢性を提供します。高集積プリ・キャリブレーション付きiSensor(TM)インテリジェント・センサー・デバイス「ADIS16204」は、ADIのiMEMS(R)慣性センサー・コアにもとづいており、簡素化されたプログラマブル・インターフェースを提供し、組込みモーション解析およびコントロール・アプリケーションに最適です。
アナログ・デバイセズ社高精度信号処理プロダクト・ライン・ディレクター、マイク・ブリッチフィールド(Mike Britchfield) は、次のように述べています。「個別センサーは、その値段の高さから、実装が困難とされてきました。コストと過剰な消費電力が障壁となり、設計者は、システム設計にセンシング機能を加えるのを控えてきましたが、ADIのCDCおよびiSensorデバイス・ファミリにより、その障壁を打破することができました」
●容量/デジタル・コンバータ(CDC)「AD7150」:電力割り当てに適合し、より高感度を提供するCDC近接センシング
「AD7150」は、高感度近接センシング・アプリケーション向けに特別設計された超低消費電力デバイスで,業界をリードするADIの容量技術を駆使して開発されました。電磁に対する適合性(EMC)、環境適応型キャリブレーション、小型パッケージ、低消費電力、高速応答時間などの重要な特長を提供します。
光センサーを用いた既存のソリューションの場合、信頼性が低く、消費電力も大きくなりますが、AD7150の消費電流はわずか90μAとなっており,70%もの電力節減を実現します。AD7150は、自動車用、産業用に最適化されており、エントリ・システムやセキュリティ・システム、遠隔検出、非接触型スイッチなど携帯型のバッテリ駆動型製品などの民生用アプリケーションにも適しています。
AD7150は、総合的な電磁的な適合(EMC) 評価を行っており、自動車用および産業用アプリケーションを取り巻く苛酷な環境下で使用するのに特に適したデバイスです。さらに、ADIの特許技術であるCDCフロントエンド・アーキテクチャにより、入力グラウンド容量、リーク電流、および電源ノイズに対する耐性が強化されているので、強力で、常に一貫した精度の検出結果を提供します。これにより高感度な近接センサー・システムの開発が促進されます。
AD7150は、オンチップ環境適応型キャリブレーション機能により強化されているので、デバイスは、温度、湿度、さらに時間の経過に伴い蓄積される塵や汚れなどの環境条件の変動による容量変化に対しても、自動でキャリブレーションし、適応します。
ADIは、2チャンネルCDC AD7150だけでなく、消費電流がわずか50μAのシングル・チャンネルCDC「AD7151」の供給も同時に開始します。AD7150とAD7151はどちらも、-40°Cから+125°Cの温度範囲仕様となっており、I2Cシリアル・インターフェースによって外部と通信します。自動車用認定モデルも認定試験が終了後出荷開始の予定です。
<供給と価格について>
AD7150 は、現在サンプル出荷中で、量産出荷は2007年5月の予定です。10ピンMSOP(ミニ・スモール・アウトライン・パッケージ)で供給しており、AD7150およびAD7151ともに、単価は1,000個受注時で1.35ドルです。(米国における参考価格です)
詳細は、ウェブサイト http://www.analog.com/pr/AD7150 をご覧下さい。
●性能、サイズ、および消費電力の利点をあわせて提供するiSensorデバイス
「ADIS16204」は、業界初の集積プログラマブル・ハイg・インパクト・センサーで、既存のソリューションに比べて90%以上もの小型化を実現しました。
「ADIS16204」は、フルスケール±35gまたは±70gの2軸慣性センシングで、必要なシグナル・コンディショニングと信号処理機能をすべて組み込んでいます。ピーク・サンプル&ホールド、衝撃プロファイル記録、フィルタ処理、トリガー・ポイント、パワーマネジメントなどのプログラマブル機能を完備したインシステム・チューナブル・デバイスなので、市場投入までの時間を6ヶ月以上も短縮することができます。
インパクト・センサーは、様々な産業用アプリケーションに使われています。特に条件モニター、安全制御や衝突検出、そして完成製品の流通チャンネル上での損傷の監視に優れた効果を発揮します。従来、高価なブリック・サイズのインパクト・センシング・ソリューションは、組込み産業用アプリケーションには適していないとされていました。一方、集積度の低い代替ソリューションでは、複雑な技術が必要で、多様性があるアプリケーションに用いるのには問題があり、多くの設計者が採用をためらう要因となっていました。その結果、インパクト・センシングは、しばしば、目視ベースのアプローチに代表される精度も信頼性も低い検査方法に頼るしかありませんでした。
ADIは、カー・ナビゲーション、ファクトリ・コントロール、ロボット工学などのアプリケーション向けに角速度センシング機能を提供する、iSensorジャイロスコープ「ADIS16251」および「ADIS16255」もあわせて発表します。ADIS16251は、±20から±80度/秒にわたるデジタル測定範囲を、0.016度/秒のバイアス安定性で提供し、感度も±1%と、競合デバイスよりも5倍も高い精度を誇ります。
ADIS16255では、組込み温度補償機能が、バイアスおよび感度を全温度範囲にわたってキャリブレーションし、より広範囲の±80から±320度/秒というダイナミック・レンジを提供します。両iSensorデバイスともに、プログラマブル・インターフェースとキャリブレーションされたデジタル出力を提供する一方、設計スペースは、既存のマルチ・コンポーネント・ソリューションの半分未満となっています。
<供給と価格について>
ADIS16204センサーは現在サンプル出荷中で、量産開始は2007年2月の予定です。単価は1,000個受注時で20.95ドル、9.2mm × 9.2mm × 3.9mmのラミネート方式のLGA(ランド・グリッド・アレイ)パッケージで供給します。ADIS16251とADIS16255は、現在サンプル出荷中で、量産出荷は2007年2月の予定です。単価は1,000個受注時で、それぞれ、44.95ドルおよび55.90ドルで、11mm × 11mm × 5.5mmのラミネート方式のLGAパッケージで供給します。(価格はいずれも、米国における参考価格です)
詳細情報に関しては、ウェブサイト http://www.analog.com/pr/isensor をご覧下さい。
【 アナログ・デバイセズについて 】
アナログ・デバイセズ(ADI)は、半導体市場において40年という長い間成長を続けてきましたが、この成長を支えてきたのは技術革新、高性能、および卓越した技術力を受け継いできた企業文化です。
ADIは、データ・コンバージョンおよびシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として、業界で高い評価を得ており、実質的にあらゆる種類の電子機器分野を網羅する世界各国の60,000社以上の顧客にサービスを提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史を誇るADIは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、従業員数は8,900名です。また、マサチューセッツ州、カリフォルニア州、ノース・キャロライナ州やアイルランド、フィリピンに製造拠点があります。アナログ・デバイセズの普通株はニューヨーク証券取引所に上場しており、ADIはS&P 500インデックスに挙げられています。
www.analog.com
※iSensorおよびMotion Signal Processingはアナログ・デバイセズ社の商標、iMEMSは同社の登録商標です。
< 製品に関する読者からのお問い合わせ先 >
techsupport.japan@analog.com