コスモ石油、堺製油所に重質油分解装置群一式新設で1000億円投資
製油所高度化投資および米国西海岸地区におけるカーブ軽油卸売り事業への参入について
コスモ石油株式会社(本社:東京都港区、社長:木村彌一、資本金:624億円)は「連結中期経営計画」の下、製油所高度化に取り組んでおりますが、このたび堺製油所においてコーカーを中心とした重質油分解装置群一式の新設を決定致しました。また、本装置群より生産される軽油の販路確保、採算性確保に向けた取り組みの一環として、米国西海岸地区におけるカーブ軽油卸売り事業に参入することとなりましたことも併せて、下記の通りお知らせ致します。
記
1.重質油分解装置群の新設について当社は製油所の競争力維持、向上にあたっては、重油需要減退を中心とした国内石油需要の構造変化に対応し、かつ堅調な需要が見込まれる海外石油マーケットに対する製品の供給力を向上させる必要があるとの認識の下、本装置群の新設を決定致しました。本装置群はアスファルト留分を原料にナフサ、ジェット燃料、軽油を生産するもので、原油の重質化や重油から中間留分への生産スイングなどによる収益性の向上が期待されます。
<プロジェクトの概要>
建設地 堺製油所(大阪府堺市西区築港新町3丁16番地)
設備投資額 約1,000億円
運転開始時期 2010年度
<設備の概要>
重質油分解装置(コーカー) 処理能力(25,000バーレル/日)
分解軽油水添脱硫装置 処理能力(25,000バーレル/日)
ナフサ水添脱硫装置 処理能力(17,000バーレル/日)
<生産能力の概要>
ナフサ 25万キロリットル/年
ジェット燃料 70万キロリットル/年
軽油 35万キロリットル/年
石油コークス 40万トン/年
2.米国西海岸地区におけるカーブ軽油卸売り事業への参入について当社は堅調な海外石油マーケットにおける販路開拓をオセアニア、アジアを中心に積極的に行なってまいりましたが、アジア域内における軽油留分余剰の加速や超低硫黄軽油製造能力の一般化などに起因する競争激化を背景に、更なる販路開拓に取り組んでおります。
このたび、当社の軽油生産技術が米国のカーブ規格(California Air Resources Boardに規定された環境対応規格)をクリアし、また米国西海岸地区の市況が堅調を維持していることから、当地区におけるカーブ軽油卸売り事業に参入することとしました。
<事業の概要>
販売地域 米国西海岸市場(南カリフォルニア)
販売油種 カーブ軽油
販売数量 40~60万キロルットル/年 程度
販売開始 2007年4月
事業主体 米国コスモ石油株式会社(当社100%出資)
販売形態 ローリー向けラック販売/パイプライン販売
以上