日本ムーグ、航空宇宙と自動車向け試験システムを提供
日本ムーグ、新しい事業へ進出
--航空宇宙と自動車向け試験システムを提供開始--
日本ムーグ株式会社(代表:ショーン・ガートランド、本社:神奈川県平塚市)は、航空宇宙と自動車分野向けに、完成品の試験システムを11月21日より提供します。この試験システムは、メーカーと試験機関が、航空機もしくは自動車の開発段階で品質、信頼、強度、耐久性などが、設計目標や工業規格に準拠した設計値に達しているかなどを確認するためのものです。
ムーグは、過去40年以上に渡り、試験関連の市場に対して、自社設計の高性能装置を提供してきました。近年では、サーボ弁、ACサーボモータ、油圧と電動式のアクチュエータ、サーボコントローラ等、自社製装置を組み込んだサブシステムの設計にも注力しています。2005年8月、航空宇宙と自動車分野向けの試験システムとシミュレータに強みを持つオランダのFCS Control Systems B.V.社を買収しました。FCS Control Systemsは1999年にFokker Aircraft社から分離した企業で、現在は、ムーグの試験システムとそのソリューション事業の核となる「Moog FCS」として展開しています。これにより、ムーグは航空宇宙と自動車分野向けの試験システムを完全なソリューションとして提供できるようになりました。
日本ムーグは、航空宇宙分野のメーカーに対して、フルスケールレベルや部品レベルでの試験を実施できるターンキー型システム1に加え、「アイアン・バード(Iron Bird)」2などの機能試験機を提供します。
また、自動車メーカーに対しては、6自由度(6-DOF)乗車・快適性シミュレータや耐久性シミュレータ、操作性シミュレータ、多チャネルサスペンション試験装置などのターンキー型システムを提供します。
日本ムーグは、この新しい事業に対して平塚工場にあるエンジニアリングと設計のスタッフと、外部からの人員補強(主に試験エンジニア)を行うことで、この分野での展開を加速させます。技術サポートとアフターサービスは、自動車メーカーの主要な拠点(日本、中国、インド、韓国、ドイツ、米国など)を含む世界の24ヶ国で提供します。
日本ムーグは、以下のような要因により、優れた試験システムを航空宇宙と自動車関連のメーカー各社と試験機関に対して提供することができます。
1.油圧と電動式の双方の試験システムにおいて豊富な経験を持っています。
2.独自のヒューマン・イン・ザ・ループ(HIL;人間介在)型ソリューションにより、研究開発の時間短縮とコスト削減(例:高いコストのかかる路上試験の削減もしくは排除)を実現できます。
3.独自のヘキサポッド(6点支持)構造の採用により、試験を最小の設置面積で高剛性を伴う動作が可能となり、試験の短縮を図ることができます。
4.世界規模のエンジニアリング体制により、ますます研究開発を中国やインドのような新興成長市場への移転を進める自動車メーカー等の厳しい要求に対応できます。
5.独自のフォースループのアルゴリズムを採用することにより、Moog FCSのサーボコントローラとソフトウェアは試験の短縮に貢献します。
日本ムーグでは、試験システムとソリューションへの進出に伴い、今後3年間で20名の新規雇用を予定しています。
注記
1.ターンキー型システムは電源を入れただけで使用することのできる、完結したシステム。
2.アイアン・バード(Iron Bird)は飛行機の設計段階において製作される、実際の飛行機と同寸法の鉄骨だけを組上げ、主に油圧系統などを配置し確認するための試験機。
添付資料
画像:6自由度サスペンション試験装置
Moog FCSについて
ムーグFCSは高性能の電動と油圧式のフライトシミュレータと試験システムを航空、宇宙、自動車の各業界に提供します。過去25年にわたり、全世界で1,250台以上のシステムを250社以上の顧客に提供しています。
ムーグについて
ムーグ(ニューヨーク証券取引所上場)は、1951年に設立され、本社をニューヨーク州イーストオーロラに置いています。精密制御機器とシステムの設計、製造、構築を世界規模で展開する企業です。ムーグの高性能システムは、航空機、人工衛星、宇宙船、打ち上げロケット、一般産業用機械、医療機器等の制御に利用されています。2006年、ムーグの総利益は、前期比24%増の13億米ドルに達しています。
日本ムーグは、ムーグの完全な子会社です。1970年に設立され、ムーグの機器とシステムの日本国内での開発、製造、流通、サービスを行っています。詳細は、http://www.moog.co.jp をご参照ください。
以上