富士フイルム、神奈川工場足柄サイトにフラットパネルディスプレー材料工場建設で240億円投資
富士フイルム 液晶テレビの大型化に対応し超広幅「フジタック」の開発・生産を決定
神奈川工場足柄サイトにフラットパネルディスプレイ材料新工場建設
投資金額240億円。環境に配慮した材料開発も推進!
富士フイルム株式会社(社長:古森 重隆)は、神奈川工場足柄サイトに約240億円を投資し、フラットパネルディスプレイ材料の研究開発機能を持った新工場を建設することを決定いたしました。平成18年12月に着工し、平成20年4月から稼動する予定です。
液晶テレビは、画面の大型化とその性能向上により世界的に需要が拡大しており、本格的な成長期に入っています。中でも40インチ以上の大型液晶テレビは前年比約50%増と急速に伸長しており、大型化により適した材料の開発が求められています。
富士フイルムは、液晶テレビの大型化に対応した最先端の研究開発を神奈川工場足柄サイトにあるフラットパネルディスプレイ材料研究所を中心に行っていますが、研究開発から市場導入までのスピードをさらに早めるため、同サイト内に研究開発機能を持った新工場を建設することを決定いたしました。
本工場では、液晶画面の大型化に対応し、40インチ以上の大型液晶テレビ用材料を効率的に生産できる超広幅「フジタック」※1を開発・生産いたします。また、「フジタック」をベースにした機能性フィルムなども開発・生産していきます。
「フジタック」は主として植物由来成分である天然セルロースから作られており、このほど農林水産省が推進する「バイオマスマーク」※2の認定を液晶ディスプレイ用材料としてはじめて※3取得した環境負荷の小さい製品です。今後、富士フイルムでは「フジタック」を構成する天然セルロース以外の成分も全面的に植物由来成分の原料に切り替える方針で、さらに環境に配慮した材料の研究開発を進めてまいります。
富士フイルムのフラットパネルディスプレイ材料事業は、本年10月より稼動した富士フイルム九州を中心に大幅な生産能力増強を進めている液晶ディスプレイに不可欠な「フジタック」、視野角拡大効果のある「WVフィルム」※4、パネル表面の反射防止効果の高い「CVフィルム」※5などの当社独自の技術を生かした特長のある製品の拡販に加え、カラーフィルター用材料「トランサー」※6、「カラーモザイク」※7などの事業拡大も進め、平成21年度には、売上高3,000億円を達成してまいります。
富士フイルムは今後も新技術の研究開発を積極的に進め、フラットパネルディスプレイ材料の生産効率や性能向上および環境保全に貢献しフラットパネルディスプレイ材料のリーディングカンパニーとして業界の発展に寄与してまいります。
(※1)フジタック:TAC(セルローストリアセテート)を素材とし、液晶用偏光板の保護膜として使用。光学特性に優れる。
(※2)バイオマスマーク :構成する素材が動植物から生まれた再生可能な有機資源に由来する製品に商標マークを用いてお客さまに告知し、これらの製品を普及させることにより、自然の恵みで持続可能な社会づくりに貢献することを目的としているもの。「フジタック」の他に、「WVフィルム」「CVフィルム」も取得している。
「フジタック」はポリエチレンフィルムなどの石油由来製品とは違い、二酸化炭素の排出を抑制するカーボンニュートラルな資源を多く含んでいるため、枯渇が懸念されている石油資源の節約や製品のライフサイクルにおける二酸化炭素(CO2)排出削減による地球温暖化防止に貢献している。
(※3)平成18年11月27日現在
(※4)WVフィルム:液晶パネルの視野角を大幅に拡大するフィルム。富士フイルムの独自製品。
(※5)CVフィルム:液晶パネル表面の反射防止フィルム。低反射率、高精細、高防塵/防汚などの特徴がある。
(※6)トランサー:液晶向けカラーフィルター作製用フィルム。当該フィルムから赤・緑・青・黒の色層をガラス基板にドライラミネーション方式で転写、カラー液晶パネルを作成。大型パネル製造に最適。
(※7)カラーモザイク:液晶向けカラーフィルター用カラーレジスト。透過型、半透過型、反射型などあらゆる液晶ディスプレイ用途に対応、原色系、補色系や液晶セルギャップを制御するフォトスペーサーなどの機能性材料を幅広く取りそろえる。
*新会社の概要などは、添付資料をご参照ください。