日本TI、工業制御用途向けに低価格のデジタル・シグナル・コントローラー4製品を発表
日本TI、業界で最も低コストの32ビット・デジタル・シグナル・コントローラを発表、
工業制御用途向けに量産開始
統合CAN通信機能を32ビットの処理性能で実現する60MHzデバイスの新製品
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、『TMS320F280xx』シリーズのDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)をベースとした低価格のデジタル・シグナル・コントローラ4製品の量産出荷を開始しました。これらの製品は、デジタルパワー制御やモータ制御、高度なセンシングなどの革新的で経済性の高い工業制御アプリケーションに最適です。『TMS320F28015』と『TMS320F28016』は、単価3.25ドル(1,000個受注時の参考価格)からという低価格で60MHzの性能を提供します。また、『TMS320F2801-60』と『TMS320F2802-60』は、従来の『TMS320F2801』と『TMS320F2802』をベースとした60MHzのコントローラです。『F280xx』シリーズのコントローラは、32ビットDSPの性能とMCU並みの使いやすさと高集積のペリフェラル群を備えたソフトウェア互換、ピン互換のデバイス11製品をラインアップしています。これにより、アップグレード時のマイクロコントローラ(MCU)ベースの既存設計の置き換えを容易にします。
60MHzコントローラに関する詳細はhttp://www.ti.com/lowcost280xx(英文)から参照できます。
◆比類ないパフォーマンス、完全なシステム統合、コスト効率
『F280x』シリーズのデバイスはすべて、32ビット幅のデータ・パスとコード密度を高める16/32ビット混合命令セットを採用し、優れた処理能力を発揮します。また、オンチップの12ビットA/Dコンバータの信号入力段から、エンコーダ(QEP:quadrature encoder pulse)インタフェース、タイマ・キャプチャ/コンペア、最大10系統の独立したPWM(パルス幅変調)チャネルによる信号出力にいたる完全な制御システム機能により、比類のないシステム統合を実現しています。また、通信インタフェースに、I2C、UART、SPIの各ポートを備えるとともに、CAN通信機能を搭載したデバイスも提供しています。『TMS320F28016』は統合CAN通信機能を備えた最も安価なデジタル・シグナル・コントローラです。車載ネットワークで長く使用されてきたCANは、高ノイズレベルの影響を受けやすく、システム内で信頼性の高い通信を行うためのエラー検出、エラー処理機能を備えた産業アプリケーションに最適です。
『F280x』シリーズのコントローラは、分解能が150ピコ秒(1ピコ秒=1兆分の1秒)という高分解能PWM(HRPWM)技術(特許出願中)を採用しています。HRPWM技術は、100KHz(キロヘルツ)の制御ループで16ビット、同1.5MHz(メガヘルツ)で12ビットの高精度を実現します。これによって、よりクリーンなパワー出力と高いパワー密度を兼ね備え、かつ磁気部品を小型化させた、より発熱量の少ない小型の電源制御システムの設計が可能になります。これらの利点は、高い許容度とより高速な過渡応答、リップルの振幅低減が必要となるAC/DC整流器などの用途に不可欠です。特に白物家電や工業用のモータ制御用途では、高度な制御技術の実装に必要な32ビットの処理性能を活用しながら、高集積や低デバイス・コストによってシステム全体のコストを低減できます。プロセッサの演算量が多いセンサレス・ベクトル制御を使用すれば、設計者のニーズに応えて、システムに必要なモータや電力回路の小型化・低コスト化が可能です。
TIの顧客向けアダプティブ・ネットワークでは、『TMS320F28x?』コントローラ・プラットフォームを採用することで、公益サービスの計量や照明制御など、また様々な環境において商用向けの新しいネットワーク型の制御/モニタリング・アプリケーションにPLC(高速電力線通信)技術を導入するための経済性の高い手段が得られます。
◆新しい低価格コントローラの仕様
コントローラ4製品は、100ピンLQFPで供給され、すでに量産出荷が開始されています。4製品はいずれも『TMS320F2808』eZdsp開発キット(TMDSEZS2808)を使ってプログラミングできます。『TMS320F2808』は本日、日本TIの販売特約店から60,900円(税込、参考価格)で販売開始されます。
*参考表あり。
◆開発キットとソフトウェアによりデジタル電源の設計が容易に
デジタル電源の開発を容易にするために、設計者は日本TIのデジタル電源開発キットをご利用になれます。電源開発キットは『TMS320C2000?』デジタル電源(DPS)ソフトウェア・ライブラリとTier Electronics社のハードウェア・モジュール群で構成されます。Tier Electronics社のハードウェア・モジュール群は、2相ブースト・トポロジーPFC(力率補正)やDC/DC用途向けに汎用プラットフォームを提供します。DPSライブラリに収められている無償のリファレンス・ソフトウェアを使用すれば、電源のデジタル制御になじみのない技術者の方でも、アナログでの経験をデジタル分野に転用できます。新しいデジタル電源開発キットとDPSに関する詳細はhttp://www.ti.com/lowcost280xx(英文)から参照できます。
◆デジタル・パワー・ポートフォリオを拡大
日本TIでは、優れたインテリジェンスと処理性能を備えたデジタル制御型の電力システムを、使いやすい直感的な開発環境で実装できる広範なソリューション群を提供しています。高性能デジタル・シグナル・コントローラ『TMS320F28x』から、Fusion Digital Power?シリーズの『UCD9K』/『UCD7K』コントローラおよび電源ドライバにいたる日本TIのデジタル・パワー・ソリューションは、DC/DCやPOL(Point-of-Load)から、ハイパワーのAC/DCおよびDC/AC変換にいたる各種用途向けに最適化されています。日本TIの幅広いデジタル・パワー・ソリューションに関する詳細はhttp://www.ti.com/digitalpower(英文)から参照できます。
※すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。
◆テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称: TI)は、グローバルな半導体企業であり、デジタル家電、ワイヤレス市場などに向けたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)とアナログICを中核とするトータル・ソリューションを提供しています。そのほか、E&PS(教育関連)事業を展開、世界25ヶ国以上に製造・販売拠点を持っています。
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における大手の外資系半導体サプライヤです。資本金は362億5,000万円です。大分県日出、茨城県美浦に生産工場があり、茨城県つくばと神奈川県厚木にテクノロジー・センターがあります。
TIに関する情報はインターネットでも発信しています。(http://www.tij.co.jp)
◆読者向けお問い合わせ先
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
プロダクト・インフォメーション・センター(PIC)
FAX:(0120)81-0036 URL:http://www.tij.co.jp/pic/
以 上