日本精工、自動車吸排気制御モータ用ナノ粒子グリース封入軸受を開発
自動車吸排気制御モータ用ナノ粒子グリース封入軸受の開発
~低トルク化実現により、吸排気弁の応答性向上に貢献~
日本精工株式会社(本社/東京都品川区、取締役代表執行役社長朝香聖一、以下NSK)は、自動車吸排気制御モータ用としてトルク性能(*1)を向上させたナノ(*2)粒子グリース封入軸受の開発に成功しました。
自動車の環境対策や高効率化、低燃費を達成するために、電子制御による吸気量の調整及び排気ガスを再循環させる機構が多く使われようになり、制御する駆動モータの需要が増えています。
軸受に求められる機能としては、長寿命に加えてトルク低減に対するニーズが高まっています。本製品は、新開発のナノ粒子グリースの採用により、制御弁の応答性が改良され、トルク性能を向上させています。
【製品の特長】
◆ モータの慣らし回転時間を70%低減
ナノ粒子を配合したグリース封入軸受を新しく採用し、軸受トルクの安定化に必要な慣らし回転時間70%低減に成功しています。
吸排気弁の応答性を向上させるために実施していた、モータ組立時の慣らし運転がほぼ不要になりました。
また、実使用温度域においても、定常トルク(*3)30%低減を達成し、モータの消費電力削減に貢献しています。
◆ 高温域において低トルクと長寿命の両立を達成
従来は、トルクを低減させるために、グリースの基油粘度を下げて対応してきたため、高温域における寿命の低下が課題となっていました。今回、ナノ粒子を配合させるアプローチ方法を適用することによって、トルクを低減させると共に、長寿命化を達成することに成功しました。
*1 (軸受の)トルク性能・・・軸受が滑らかに回転する性能
*2 ナノ・・・国際単位系における接頭辞の一つ、基礎となる単位の10-9倍( 1 nm = 10-9 m )
*3 定常トルク・・・・軸受の通常の回転状態における回転の滑らかさ
今後、このナノ粒子グリース封入玉軸受を自動車吸排気モータ市場中心に拡販し、2009 年度には5億円の売上を目指します。
以上