安川電機、製品の品質強化などにむけて新工場を建設
インバータ新工場建設
- 生産能力倍増(年間300万台)、生産性50%アップ -
株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)は、好調に推移するインバータ事業の受注と今後の新製品投入による拡販計画に対応するため、インバータ製品の品質強化と生産能力の向上を目的として新工場を建設いたします。
インバータ事業の一層の拡大を目指し、昨年から生産革新活動を進め、生産効率の向上に努めておりますが、先日発表した「V1000」シリーズを初めとした、今後の新製品販売計画に合せてより大幅な生産能力の増強が必要と判断し、新工場建設を中心としたグローバル生産体制の再構築を行います。
新工場建設により、市場への製品供給能力を大幅に向上させ、世界NO.1シェアを誇る業界のパイオニアとして、その立場をより強固なものとします。
新工場建設を含めた新生産体制(世界共通の生産方式とSCMに基づいた生産リードタイムの短縮)では、生産能力倍増(年間300万台)、生産性50%アップを目指します。これらの新工場建設・新生産体制構築には、約40億円を投資します。
1.当社インバータ事業の状況
安川電機のインバータ事業は、その品質・性能・機能がお客様に認知され世界トップシェアの座を確保しています。2006年度の世界シェアは注)13%を超える見通しです。
安川電機は、これまでモータ制御のパイオニアとして、多くの革新的な世界初の技術を盛り込んだインバータを製品化し、業界をリードしています。昨今は、地球環境温暖化防止を背景とした省エネルギーニーズの高まりによる省エネルギー対策機器として、売上げを拡大しています。
また、生産においても、日本の工場をマザー工場として、(*1)米・欧・中の3拠点に海外工場を展開しており、安川電機のローカルに根ざした事業展開は、広くお客様の信頼を得ています。
注)安川電機による推定
2.新工場建設と今後の生産戦略
新工場は、世界シェア20%を達成するための旗艦工場となります。また米・欧・中に展開する海外生産拠点の新マザー工場として機能し、「品質」「生産性」向上のため世界共通の生産方式を実現する役割を担います。安川電機は、新工場を中心とした新生産体制により、世界一の品質、競争力あるコスト及び生産リードタイム1/2を実現します。
(1) 当社ロボット、FA機器を活用した新生産方式の構築
作業者のレベルの差に関係なく、品質よく、高い生産性で安定してモノが作れるよう、機械・ヒト・ITとの融合により、付加価値を最大限に高める生産方式を実現します。
・ "フレキシブル自動組立ライン"による大量生産
当社の産業用ロボットにより各要素作業を機械化したセルモジュールを(*2)RFID技術で連携し、当社のモーションコントローラ・サーボ・インバータを活用した自動生産ライン
・ "進化型セルライン"による多品種少量生産
当社の産業用ロボットによる定型作業の機械化と電子支援システムによる人手組立作業の効率化を実現する生産ライン
(2) 世界共通の生産方式の実現
新工場は、インバータ事業の旗艦工場及びグローバルに展開する海外生産拠点のマザー工場として機能します。新工場の目指す姿は、『競争優位はスピード/グローバル化』をコンセプトに、『製品』と『情報』が淀みなく流れ、連動する全体最適なしくみ(プル生産システム)を構築します。最新のIT技術を活用してグローバル生産情報の一元管理を行い、世界一の品質・コスト・納期を実現します。
3.新工場の概要
新工場建設地は、(*3)北部九州の行橋(ゆくはし)事業所敷地内とし、規模は建物面積12,000m2で、2007年1月着工、同年7月操業開始を予定しています。
【文中用語説明】
(*1) 海外工場の所在地
米国工場; YASKAWA ELECTRIC AMERICA INC.
イリノイ州 バッファローグローブ および ウイスコンシン州 ニューベルリン
英国工場; YASKAWA ELECTRIC UK LTD.
スコットランド カンバノールド
中国工場; SHANGHAI YASKAWA DRIVE CO., Ltd.
上海市 嘉定区
(*2) RFID技術
Radio frequency identificationの略、ID情報を埋め込んだタグから、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によってヒトやモノを識別・管理する仕組み。
(*3) 行橋事業所
インバータ生産の主力工場 (所在地:福岡県行橋市(ゆくはしし)西宮市(にしみやいち) 2-13-1)