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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'04.26.Fri
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2007'05.16.Wed

富士フイルム、ArF液浸リソグラフィープロセス用レジスト「FAiRS-9000」シリーズを開発

独自の「表面疎水化技術」によりパターン欠陥を大幅に低減し、45nm世代*1に対応! 
ArF液浸リソグラフィープロセス用レジスト「FAiRS-9000」シリーズ 
有力半導体製造メーカー大手のコンソーシアム「IMEC」*2で標準品に採用 
新開発 


 富士フイルム株式会社(社長:古森 重隆)は、45nm世代対応ArF液浸リソグラフィープロセス用レジスト「FAiRS-9000シリーズ」を新開発いたしました。このシリーズのレジストでは、業界トップレベルのドライエッチング耐性*3とリソグラフィー性能*4を維持しながら、露光装置汚染の原因となるレジスト膜*5からのレジスト成分の溶出を防ぐ独自の「表面疎水化技術」を採用し、液浸リソグラフィープロセス*6に特有のパターン欠陥を半導体デバイスの量産が可能なレベルにまで低減させております。

 「FAiRS-9000シリーズ」の一つ「FAiRS-9101A06」は、このたび、有力な半導体製造メーカー9社がコアパートナーとして参加し、先端的半導体プロセス開発を主導している欧州の代表的な半導体技術開発コンソーシアムの「IMEC」にて、2010年に半導体業界で量産が開始される見込みにある45nm世代デバイス開発用の標準レジストとして採用されました。これにより、45nm世代対応のArF液浸リソグラフィーの標準的なプロセスが確立される見通しが得られました。今後、富士フイルムは今回開発した45nm世代対応を中心とした次世代半導体デバイス向けレジストで、トップシェアを目指し、半導体業界に大きく貢献してまいります。

 リソグラフィープロセスは半導体製造工程の一つで、シリコン基板上に形成した感光性レジスト膜を露光・パターニングすることにより半導体デバイスの回路パターンを形成する工程です。45nm世代の半導体デバイスの回路パターン形成には、前世代の65nm世代と同様にArFエキシマレーザー*7を光源とするリソグラフィー技術が用いられますが、解像力を上げるためにその露光光学系に用いるレンズの開口率*8(NA)が1.0を超えることになるために、レーザー光が通過するレンズとレジスト膜との間の媒体の屈折率を高くする必要があります。このため、45nm世代の半導体デバイスではその媒体に水が使われます。一方で、レジスト膜上に水を存在させると、水に溶け出したレジスト成分が露光装置のレンズを汚染することや、水がレジスト膜に浸透してレジスト中の化学反応を阻害することによるパターン欠陥(液浸プロセス特有欠陥)が発生することが当初から懸念されていました。レジスト膜と水の間に保護膜(トップコート)を形成することでレジスト成分の溶出や液浸プロセス特有欠陥を抑止することが可能ですが、工程数の増加による半導体デバイス製造コスト増加や、トップコートの塗布や剥離が与えるリソグラフィー性能への影響などの問題がありました。

 これらの問題を解決するため、今回、富士フイルムでは、トップコートを必要としない液浸用レジストの実現を図り、レジスト膜表面にのみ局在することでレジスト成分のレジスト膜からの溶出と水のレジスト膜への浸透を防ぐ独自の分子設計による添加剤を開発しました。新開発の添加剤は、レジスト液中では均一に分散されていますが、レジスト膜が形成されるときに表面に局在することで、レジストに本来求められるリソグラフィー性能を劣化させること無く、表面の疎水性のみを制御することができます。この「表面疎水化技術」を適用することで、液浸リソグラフィープロセスに特有の問題を解決し、他の物理的、化学的性質を変化させずに、液浸リソグラフィープロセス用のレジストとして要求される性能と、従来からレジストに要求されているドライエッチング耐性や矩形性*9の高いパターン形状、露光余裕度*10などの性能を両立させ、トップコートを用いずに液浸露光プロセスを構築できるレジスト材料の開発を可能としました。

 富士フイルムは「ラインパターン用レジスト・ホールパターン用レジスト*11」など、お客さまの使用条件に最適化された商品群をラインアップし、45nm世代の半導体デバイスの量産に最適なレジスト材料を提供してまいります。また、当社独自の高機能性材料技術を結集し、今後さらに微細化が進む半導体デバイス製造用レジスト材料を開発し、提供してまいります。
 半導体フォトレジスト以外の分野においても、大幅な成長が見込まれるCMPスラリー・超Low-K材など新規の半導体材料分野で半導体デバイス産業の発展と繁栄に貢献していきます。


*1 半導体デバイスの技術世代の一つ。回路パターンの基本設計寸法を表す。現在量産されているのは90nm世代で、2007年に65nm世代の本格量産に入るとされている。 
 
*2 Inter-university MicroElectronics Centerの略。ベルギー・Leuven市にある半導体デバイス開発コンソーシアム。 
  
*3 レジストに求められる重要な性能の一つで、レジストの回路パターンが形成された後、半導体基板をドライエッチングすることで基板に回路パターンを転写するとき、レジストパターンの厚さの減りにくさを表す。 
  
*4 回路パターンを再現性良く、マスクに忠実に形成できることや、照射する光の量の変動によるパターンの寸法変動量が少ないこと(露光余裕度)、レンズにより集光された光の像がフォーカスずれでぼけたときのパターンの寸法変動量が少ないこと、パターンの厚さ方向の寸法がそろっていること(矩形性)などがある。 
  
*5 半導体基板上に形成されたレジストの薄い膜(今回の場合、100nm~200nm,ナノは10億分の1)。回路パターンが描画されたマスクを介してレジスト膜に光を当て、回路パターンが影となってレジスト膜に光が当たり、光が当たったレジスト膜が化学反応を起こして現像液に溶解して回路パターンが半導体基板上に形成さる。 
  
*6 ArF(フッ化アルゴン)をレーザー光源として、シリコン基板上に形成されたレジスト膜を感光させることにより半導体デバイスの回路パターンを形成する工程。液浸とは、マスクを通過した光を投影させるレンズと、レジスト膜の空間に液体を充填すること。 
  
*7 励起したフッ化アルゴンから発生するレーザー光。 
  
*8 マスクを通過した光は投影レンズで集光され、レジスト膜に照射される。レンズの開口率が大きければ大きいほど微細なパターンを解像させることができる。 
  
*9 パターンの厚さ方向の寸法がそろっていること。 
  
*10 照射する光の量の変動によるパターンの寸法変動量が少ないこと。 
  
*11 現在の半導体デバイスは多層構造で形成され、それぞれの層に特有のパターンの形状がある。パターンの形状は大きく2つに分けられ、ライン(線)パターンとホール(穴)パターンに分けられ、それぞれのパターン形状に最適化されたレジストが開発されている。 


 独自の「表面疎水化技術」を導入した、ArF液浸露光リソグラフィープロセス用レジスト材料「FAiRS-9000」シリーズの特長(PDF:609KB) http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/article/pdf/ffnr0072.pdf 


本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。 
お客さま  R&D統括本部 エレクトロニクスマテリアルズ研究所  TEL 0548-32-7312 

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