日本精工、冷却ファンモータ向けの高温用静音長寿命玉軸受を開発
冷却ファンモータ向け高温用静音長寿命玉軸受を開発
~高温での音響寿命(*1)が2倍に向上~
日本精工株式会社(本社/東京都品川区、取締役代表執行役社長朝香聖一、以下NSK)はIC等の冷却に広く使われているファンモータ向けに専用グリースを開発、高温時の音響寿命を2倍以上に延ばした高温用長寿命玉軸受を商品化し、サンプル出荷を開始しました。
近年、パソコンの小型化やAV機器の大型化による発熱量の増加により、これら機器に使用される冷却ファンモータも高温環境下で使用される場合が増えています。
今回NSKが開発した高温用静音長寿命軸受は、新開発グリースにより高温時の音響上昇レベルを半減させると共に、高温用グリース特有のグリースノイズを抑えています。また、軸受仕様の見直しにより、軸受の摩擦損失(*2)を大幅に低減させました。
(*1)音響寿命:軸受から発生する音のレベルがお客様の要求値を超えるまでの時間
(*2)摩擦損失:軸受を回転させたときの抵抗
【製品の特長】
(1)高温(120℃)での音響寿命が2倍(当社比)に向上
グリースの成分である基油・増ちょう剤の耐熱性を向上させることで、グリースの劣化を抑えました。更に最適添加剤を配合することにより、現行高温仕様品に対して2倍以上の音響寿命を実現しました。
(2)ノイズを低減し、静音性を向上
グリースの製造工程を工夫して増ちょう剤の分散性を改善し、高温用グリース特有のグリースノイズを現行高温仕様品の1/70に低減しました。
(3)軸受仕様の改善により摩擦損失を低減
これまで高温用グリースで課題となっていた摩擦損失を軸受仕様の見直しにより大幅に低減し、現行高温仕様品の1/4、標準仕様品との比較においても同等以下を達成しました。
本高温用静音長寿命玉軸受はNSKの企業理念に基づき、環境配慮型製品として開発されたもので、長寿命、低騒音、省エネルギー化に貢献いたします。
NSKは、冷却ファンモータ用軸受の高温用途向けに、本製品で2007年度年間20億円の売上を目指します。
以上