リニアテクノロジー、スタックバス復旧機能付き低オフセットI2Cバスバッファを発売
リニアテクノロジー、新製品「LTC4307」を販売開始
カスケード接続が可能で、I2Cの信頼性を向上させる低オフセット・バスバッファ
リニアテクノロジーは、I2Cバスを利用するシステムの信頼性を大幅に向上させる、スタックバス復旧機能付き低オフセットI2Cバスバッファ「LTC4307」の販売を開始しました。8ピン(3mm×3mm)MSOPおよびDFNパッケージのLTC4307は、コマーシャル温度範囲とインダストリアル温度範囲で規定されます。
1,000個時の参考単価は260円(税込み)からで、リニアテクノロジー国内販売代理店各社経由で販売されます。
プラグイン・ボードの数と複雑さが増すにつれて、新しいデバイスが追加されるたびに既に蓄積されたオフセット電圧がさらに増大し、有効なロジック”L”規格を超える可能性があります。LTC4307によって追加される入出力間のロジック”L”オフセット電圧は標準的な100mV以上ではなく、わずか50mVなので、ユーザが複数のLTC4307を直列にカスケード接続できると同時に、VOLレベルを満たし、大きなノイズマージンを維持します。
その結果、大型システムを多数の小型、小容量の高速のバス・セグメントに分割できます。低オフセットを特長とするLTC4307は、Advanced TCAおよびμTCAベースのサーバ、ネットワーク機器など、不可欠なシステム・マネージメント機能のために大型I2Cバスを必要とする高可用性システムに最適です。
また、LTC4307は、スタック・バスを検出および解除することによってシステム保全を維持する、スタックバス復旧回路を搭載しています。シリアルデータ出力SDAOUTまたはシリアルクロック出力SCLOUTが30ms以上”L”の場合、LTC4307は自動的にデータおよびクロック・バス接続を遮断し、SCLOUTピンから最大16のクロック・パルスを生成して、バスの解放を試みます。バスが解放されると、接続が直ちにイネーブルされ、正しい動作が再開されるため、LTC4307は一般的なシステムリセットが事実上不要です。
また、LTC4307はバックプレーンとカードの電源電圧が異なる場合でも、バックプレーンとカードのI2Cバス間に容量性絶縁を提供します。このデバイスは2つ目の電源ピンや2組目の入力プルアップ抵抗なしでこのレベル変換を行うので、コネクタ・ピンをバックプレーン電源電圧専用にする必要がありません。カードの活線挿抜を容易にするだけでなく、LTC4307のSDAおよびSCLピンは±8kVのESDに対する耐性を備えているので、極めて堅牢で、取り扱いによる損傷からカードを保護します。
このように豊富な機能を搭載したLTC4307は、様々な電源電圧レベルとバス電圧レベルを備えた多数のI/Oカードを利用する先進のコンピュータシステム、ネットワークシステム、データ保存システムに最適です。
■LTC4307の特長
・50mVの入出力間オフセットにより、複数のバッファをカスケード接続できるので、バスを拡張可能
・バスが30ms以上スタック”L”の場合、SDA/SCLラインを自動切断
・電源の入ったバックプレーンに対するボード挿入/引抜き時に、SDAやSCLの損傷を防止
・LTC4300A-1とピン互換
・8ピン(3mm×3mm)DFNおよびMSOPパッケージ
(注)I2Cの「2」は上付き
VOLの「OL」は下付
以 上