エーシーニールセン、世界の「景況感」に関する意識調査結果を発表
世界の景況感:インドの景況感は2年連続で世界最高
日本人の景況感は悪化:「新しい服」への消費意欲は世界平均よりも10%以上低い
世界の中でも日本人と米国人が戦争に対する高い懸念を示している
2006年12月22日:世界最大の市場調査会社であるエーシーニールセン(日本本社:港区六本木、代表取締役社長:マンゴ・ギルクリスト)の調査結果によると、好景気に押されたインドは調査対象46カ国中最も高い景況感指数を示しています。これは半年ごとの調査で、4回連続トップに立ったことになります。インドはこれからますます世界経済の原動力として活躍していくのではないでしょうか。
インドは依然好調、ベトナムの今後の伸びに期待
景況感指数(*)の世界平均は前回より1ポイントアップで99ポイントとなりました。景況感が一番高い国はインドで、景況感指数は過去最高の137ポイントを示しました。インドに続いて、スカンジナビア地方のノルウェー(134)とデンマーク(129)が続きます。この3カ国は前回と同様今回もトップ3を守りました。その他に注目すべき国はベトナム(116)で、前回6月の調査時と比べて2桁の上昇を示しました。労働力や所得水準の上昇に加えて、世界貿易機関(WTO)にベトナムの加盟が承認されたことが景況感指数の上昇に影響していると考えられます。
(*)エーシーニールセンが開発した「景況感指標」で、今後12ヶ月の雇用機会や家計の見通しと消費願望に基づき計算
(非常に良い:200ポイント、良い:133.3ポイント、あまり良くない:66.6ポイント、0:悪い)
日本と韓国は自国の経済に慎重な姿勢
世界と比べると、日本や韓国の景況感は低調です。指数が一番低かったのは前回同様に韓国で、56ポイントでした。次にポルトガルの64ポイント、日本は71ポイントと前回よりマイナス8ポイントという結果が出ました。日本の経済が回復傾向にあるとはいえ、依然慎重な姿勢を保っているといえます。消費者自身の経済状況についても、良くなると回答した人は、前回の25%からダウンして16%という結果が出ました。また欲しいものや必要なものを買うなら今だと思っている人は23%で、4人に1人にとどまりました。
日本では、休暇/旅行に対する消費意欲が依然高い
世界全体では、生活費以外のお金の用途として、貯金(40%)、新しい服(35%)、休暇/旅行(34%)、家の外での遊び(34%)をあげています。一方、日本では貯金(47%)、そして休暇/旅行(42%)が世界全体と比べて高く、その反面、家の外での遊び(24%)、新しい服(23%)では低い傾向がみられました。
日本(世界平均)
貯金 47% (40%)
休暇/旅行 42% (34%)
家の外での遊び 24% (34%)
新しい服 23% (35%)
世界の関心事は経済状況、健康、そして雇用状況
今後6ヶ月の懸念と関心事は経済状況(39%)、健康(34%)、そして雇用状況(32%)であるとの回答が得られました。この順位には大きな変化はありませんが、経済状況と健康を回答した人の割合は、半年前と比べてやや減少しています。日本では、経済(34%)、健康(29%)、雇用(26%)の順で、今回は健康よりも経済に関心を寄せている人の割合がやや高くなっています。また戦争に対する懸念が24%となっており、これは米国の24%と共に、世界平均よりも13%も上回っていました。
2006年10月末から11月初めに世界46カ国の消費者2万5408人に対し、景況感に関する意識調査を実施しました。この調査は6ヶ月ごとにインターネットで、経済・雇用状況などの景況感、消費意欲やお金の使途希望、世事での関心事・懸念材料などの消費者心理を追跡しています。
エーシーニールセンについて:エーシーニールセンは、VNU社のメンバーとして、100カ国以上で一般消費財やサービス産業向けに市場調査、情報および分析サービスを提供している世界で最大の市場調査会社です。独自の製品、分析ツール、また専門的なサービスを通じて、顧客の新規事業機会の見出し、またより収益性の高いマーケティング・営業活動のための支援をしています。詳しい情報は、ホームページをご覧下さい。 http://jp.acnielsen.com