gooリサーチ、「第三期科学技術基本計画実施に向けた提言に関する調査」の結果を発表
gooリサーチ結果 (No.142)
第三期科学技術基本計画実施に向けた提言に関する調査
~約8割以上は「科学技術に関心を持っていても科学技術基本計画を知らなかった」~
国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和才 博美)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:田中 將介)は、「gooリサーチ」登録モニターおよびgooユーザを対象に「第三期科学技術基本計画実施に向けた提言に関する調査」を実施しました。
■ 総括
「第三期科学技術基本計画実施に向けた提言」と題して、科学技術、科学技術の内容、政策、教育について関心の程度の調査を実施しました。科学技術に対する関心は40代、50代で約8割、10代、20代は約7割未満となり、世代が若いほど関心が低いことが明らかになりました。
さらに、科学技術政策については重要性は認識しているものの、実際に意思決定の場に参加する意欲は低く、科学技術政策の周知、普及活動を強化するのと同時に、参加の機会、場を創出することも重要であると思われます。
また、科学技術教育に関しては、政府が掲げている科学技術教育政策の認知度は低いものの、その中にある実験学習の重視、初等中等教育機関と大学との連携促進についてはいずれも8割以上の人が必要性を認識しており、政府の科学技術教育の方針について国民の大半が潜在的には同意を示していることがわかります。今後、国民に対して科学技術教育への理解を一層促すためには、既に多くの国民がその必要性を認識していることを前提とした上で、国民が科学技術教育により主体的・実践的に関わっていくための機会や方法を示すことが必要だと思われます。
■ 調査結果のポイント
(1)科学技術や科学技術基本計画に関する認識
40代、50代に比べると10代、20代が科学技術に対する関心が低く、「科学や技術に関するニュースや話題に日頃から関心をお持ちですか。」という質問に対して、何らかの関心を持っている人が、40代(77.1%)50代(83.2%)で、8割前後となっているのに対して、10代(62.8%)20代(65.8%)と7割未満となっている。また、「最も身近に感じている製品にどのような科学や技術が利用されているか」についても、同様の傾向が見られる。
しかし、実際の科学技術の内容や国の科学技術政策の要である「科学技術基本計画」の認知度については、科学技術への関心に比べて40代(12.4%)、50代(15.7%)と10代(10.3%)、20代(10.1%)の間での差はそれほど大きくはなく、全体として認知度は低い。
若年層の科学技術に対する関心の低下が懸念されるが、科学技術の内容の理解度には、世代間で大きな差がない可能性も高い。科学技術創造立国を目指すとすれば、関心のみならず科学技術そのものへの理解を深める対策も必要であろう。ましてわが国の科学技術のロードマップともいえる科学技術基本計画への認識が、世代に係わらず低いことに対しては、周知・普及の対策は必須と考える。
(2)科学技術と産業との繋がりについて
科学技術立国としての日本を支えるために、メーカー等の技術者・エンジニアの役割の重要かどうか尋ねたところ、8割以上がその重要性を指摘している(「大変重要である」:50.2%+「ある程度重要である」:34.0%)。
また、科学技術政策や企業の研究開発が、景気の向上や経済成長に結びついているとする回答者が多かった(「非常に結びついている」:23.4%+「ある程度結びついている」:42.0%)。
(3)科学技術政策や科学技術教育政策への関心
科学技術政策の意思決定に対して、6割は「国民は参加すべき」(「参加するべきだと思う」:14.2%+「ある程度参加するべきだと思う」:43.7%)との認識はあるものの、自ら参加するという意欲は3割に留まった(「参加したいと思う」:9.4%+「ある程度参加したいと思う」:24.8%)。
このような傾向は、「科学技術政策の意思決定に参加する機会・場面が十分にあるか」という質問に対して、参加の機会・場面があると答えた回答者の割合は非常に低い(「十分にあると思う」:0.8%+「ある程度あると思う」:4.3%)水準に留まっていることから、科学技術政策の意志決定に関する参加機会や場面が少ないことが影響していることが背景にあると考えられる。
(4)科学技術教育への関心
科学技術教育政策についても、「実験や実習などを中心とした実践型・体験型の授業の強化」や小中高が大学や企業と連携した「先端的な科学や技術の研究開発に生徒が触れる機会や取り組み」といった、科学技術教育の重要性は認識されている。しかし、その一方で、「わが国の政策として科学技術に関する教育の推進が行われていることを知っている」とする回答者は、「よく知っている」(1.9%)・「知っている」(9.8%)合わせても1割強に留まっている。
また、「わが国の科学技術教育に関する政策は国民に対して十分に説明されているか」という質問に対して、「全く説明されていない」(35.2%)・「あまり説明されていない」(46.4%)と、8割以上が説明不足を指摘している。特に教育関係者が知らないことは、科学技術創造立国として科学技術分野の人材育成を進める上でも大きな問題と考えられる。従って、基本計画同様に教育推進についても一層の周知・普及を図って行くべきである。
《 補足 》
(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える 「gooリサーチ・モバイル」モニター(5.5万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(3.4万人)、団塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(3.1万人)を含め、83万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれも2006年7月現在)