富士フイルム、米ProSolv社を株式取得により子会社化
富士フイルム 循環器部門向け医療画像情報システムメーカー
Problem Solving Concept Inc.を買収し、
メディカル事業領域を拡大
富士フイルム株式会社(社長:古森 重隆)は、米国の販売子会社FUJIFILM Medical Systems USA, Inc.を通じて、循環器部門向け医療画像情報システムメーカーである米国 Problem Solving Concept Inc.社(本社:米国 Indianapolis、以下ProSolv社)の発行済全株式を取得し、ProSolv社を富士フイルムグループの100%子会社といたします。
ProSolv社は、設立以来蓄積した高いソフトウエア技術を背景に、主に心臓疾患の診断と治療をおこなう循環器部門向けの医療画像情報システム(Cardiology-PACS)を独自に開発し、2000年より販売しています。ProSolv社のCardiology-PACSは、心臓疾患に代表される循環器疾患の診断・治療に必要な動画表示、心電図との同期、計測機能などに加え、カスタマイズ可能な充実したレポート作成機能が高く評価され、現在米国を中心に世界350施設の循環器部門で導入されています。
富士フイルムは、先進・独自の技術をもって、『人々のクォリティ オブ ライフのさらなる向上に寄与していく』という企業理念のもと、メディカル事業を主要な事業領域の一つとしてグローバルに展開し、1981年に世界に先駆けて開発したデジタルX線画像診断システム「FCR」(Fuji Computed Radiography)や、放射線科における各種モダリティ画像をネットワーク上で管理する医療画像情報システム(PACS:Picture Archiving and Communications System)「SYNAPSE」を通じ、画像診断の効率化に貢献しています。
IT化が進む医療の現場においては、画像診断情報を一元的に管理し、診療結果を短時間で正確にレポートとして記録し、診断や治療を担当する医師やその他の医療スタッフがいつでも情報共有できるPACSの導入ニーズが高まっています。その一環として今まで普及が遅れていた循環器部門のPACS導入は急速に進むと見込まれており、今後成長が期待されている市場です。また、大規模な施設では、院内の複数の部門データを一元管理することが求められており、大量の医療画像を扱う放射線部門と循環器部門間の画像情報共有に対する必要性も高まっています。富士フイルムの「SYNAPSE」は、これまで放射線部門用PACSとして世界中の1000を超える医療機関に導入され、高い評価をいただいておりますが、今回の買収により、「SYNAPSE」にCardiology-PACSの機能を付加し、より幅広い医療画像を扱う画像診断情報システムへと発展させることが可能となります。今後富士フイルムは、循環器部門のPACS化、さらには放射線部門と循環器部門での画像情報共有を求める世界の施設向けに、SYNAPSEを展開していきます。
富士フイルムは、「メディカル・ライフサイエンス事業」を重点事業分野とした新たな成長戦略を中期経営計画の基本戦略として掲げ、設備投資や研究開発の大幅強化とともに、積極的なM&Aの展開による新たな事業拡大を進めており、今回の買収もこうした成長戦略の一環です。今後の当社メディカル事業の成長につなげるとともに、医療の質や効率の向上、人々の健康の維持増進、クォリティ オブ ライフのさらなる向上に貢献してまいります。
<Problem Solving Concept Inc.の概要>
設立 : 1989年12月
社長・CEO : Thomas Feigenbaum
所在地 : 米国Indiana州Indianapolis
事業内容 : 循環器部門向けの医療用画像情報システム(Cardiology-PACS)の開発、販売、保守