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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'11.24.Sun
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2007'06.17.Sun

岡山大学など、廃棄物リサイクル向けに乾式法で比重分離回収可能な技術を開発

廃棄物リサイクルに向けた乾式比重分離回収技術の開発に成功
- 乾燥工程や廃液処理が不要となる、ランニングコスト低減化を実現 -


【新規発表事項】
 岡山大学工学部(岡山市)の押谷潤助教授と永田エンジニアリング(株)(北九州市)は、廃棄物の破砕物に含まれるプラスチックや金属などの比重の異なる素材を、液体を用いない乾式法で比重分離回収可能な技術の開発に成功した。本技術は、粉体を下部からの送風で流動化させた固気流動層が持つ液体に類似した性質を利用したもので、従来法である液体を用いた湿式比重分離法で発生する、特有の諸問題を抱えない代替技術として期待されています。

【背 景】
 環境問題に対する関心から、廃棄物リサイクルが社会からの要望に留まらず、国を挙げての政策となっています。廃棄物はプラスチックや金属など様々な素材からなる混合物であり、リサイクルのためには各素材に分離する必要があります。素材分離技術として、液体を用いた湿式比重分離法が幅広く利用されていますが、1)廃液処理や分離後の乾燥工程が必要、2)装置からの液漏れ、3)比重調整剤のコスト高、4)寒冷地や水資源の乏しい場所では利用が困難などの問題を抱えており、代替技術として乾式分離法の開発が求められています。
 一方、原油埋蔵量の限界と原油価格の高騰により、代替エネルギー源の開発・確保が現在推進されています。熱源としてサーマルリサイクルが可能な廃プラスチックに対する注目が近未来的に加速すると予想され、廃プラスチックを燃焼する際に燃焼炉の腐食などを抑制するため、廃プラスチック中の塩素含有プラスチックの分離除去が強く求められています。

【訴求点】
 以上の背景の下、湿式比重分離法の代替技術として、固気流動層の液体に類似した性質を利用した乾式比重分離法技術と実用化を想定した連続分離回収装置を開発しました。本技術の特徴は、1)湿式比重分離法が抱える諸問題がなく、特にランニングコストの面で大幅な低減を実現、2)比重差0.2の混合物体を連続分離回収可能、3)固気流動層の見掛け比重を0.4~4.0の範囲で制御でき、種々の比重を持つ廃棄物処理に対応可能、4)濡れない粉体を流動化媒体として用いることで、湿潤廃棄物処理に対応可能などが挙げられます。
 また、廃プラスチックのサーマルリサイクルにおける課題克服への本技術の有意義な点として、5)廃プラスチックと銅線などの非鉄金属を純度および回収率が共に90%以上の精度で分離回収可能であり、6)さらに廃プラスチック中の塩素含有割合を1wt%以下に低減可能な点が挙げられます。

【今後】
 実用化に向けた更なる技術改良として、連続分離回収装置のロングラン試験から得られたデータを基に、より高い耐久性を持った、低頻度のメンテナンスで済む装置の設計開発を行っていきます。また、本作業と平行して、本技術導入に興味を持つリサイクル事業者や家電・自動車メーカーなどを積極的に募り、通常のリサイクルにおいて、これまで最も障壁となっていた経済性の問題をクリアするべく本技術の実用化を目指していきます。

【備考】
 本成果は,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)産業技術研究助成事業による研究成果です。

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